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【Book】『オンリーワン・・・ずっと宇宙に行きたかった』 by 野口聡一

投稿日:2013年1月6日 更新日:

私は小さい頃から宇宙に対する漠然とした関心やあこがれを持っていて、大学でも宇宙関係の研究分野に進みました。

今は宇宙と全く関係ない仕事をしてますけど、宇宙開発や天文学の話を聞くと今でも胸躍るものを感じてしまいます。

今日は、国際宇宙ステーションでの長期滞在を若田光一さんに続いて成功させた宇宙飛行士、野口聡一さんの著書を紹介します。

 

『オンリーワン・・・ずっと宇宙に行きたかった』
野口聡一・著
新潮文庫
2010年2月26日発行

 

この著書で野口さんは、自身の小さい頃や学生時代の想い出から始まって、宇宙飛行士に選ばれるまで、選ばれた後の訓練、そして初の宇宙ミッションにいたるまでの経験や感じたことを、わかりやすい言葉で語っています。

野口さんは自身のことを、決して天才肌ではなく普通の人間だ、と言っています。そんな人間でも、目標を達成するために何が必要かを常に考え、諦めずに着実の努力を重ねることで、夢はかなうのだと語ります。

こういう事って私みたいな人間が言うと陳腐に聞こえちゃいますが(苦笑)、確固とした経験に裏打ちされた野口さんの言葉はストレートに心に響いてきます。

この本で個人的に印象に残った内容をメモしておきます。

 

「練習は本番のつもりで、本番は練習のつもりで」

 

宇宙船や宇宙ステーションでは、設備などのトラブルはつきものですが、地上に比べて取れる対応が非常に限られ、また命の危険につながる危険性も高くなります。だから地上ではイヤというほど、あらゆる非常事態への対処のシミュレーションを繰り返します。これは本番のつもりで真剣に行う必要があります。

しかし、宇宙に出てから実際にトラブルに遭遇したときは、焦ってじたばたしてもしかたない。むしろ練習であるかのようなリラックスした気持ちで、訓練した通りに淡々と行動をするくらいがいい。そういう意味です。

準備は徹底的に。しかし実際に事が始まったらジタバタせず、冷静にその場での対応に最善を尽くす。これは仕事や普段の生活でも重要な考え方ではないでしょうか。

 

「(クルーに選ばれるために、)宇宙に行ったことがある人は実績をアピールできる。でも、まだそれがないときは、情熱しかない。前向きに、積極的に仕事に向き合えるかどうか。能力的な部分でアピールするものがなければ、あとはやる気があるか。そこに国は関係ない」

 

野口さんは、宇宙飛行士に採用されたものの、具体的なミッションになかなか割り当てられずに長い時間を過ごしました。(宇宙飛行士になっただけでは、宇宙に飛ぶことは決定ではないんです!)

精神的に相当苦しい状況だったと思いますが、野口さんは腐らなかった。飛ぶ当てがない状態で続く日々の訓練や小さな仕事もきっちりこなし、やる気をアピールしたそうです。

 

「なにがどうつながっているのかわからないけれど、つながるようにやってみるしかない」

 

次のミッションのクルーに選ばれるための要件は、必ずしも明確に示されているものではない。巡りあわせや運の要素もあり、ここまでやれば必ず選ばれるという保証は無い。だけど、少しでも選ばれる確率を上げるためにできる事はいろいろある。いまできる範囲のことを、強引にでもゴールにつなげる努力をしていくべきだ、ということです。

たとえば、船外活動訓練を受けたかったものの、なかなか訓練を受けるチャンスがもらえなかった野口さん。しかし、国際宇宙ステーションの実験モジュール「きぼう」の開発支援に携わった経験はありました。

そこで野口さんは、この経験をなんとか訓練のチャンスを得ることにつなげようと考えました。「自分が開発に関係したきぼうについて、今後、宇宙飛行士としてコメントを求められることが続くだろう。だから開発に携わった私に、ぜひ船外活動訓練をやらせて欲しい」とアピール。見事、訓練のチャンスを手に入れます。

いったん船外活動訓練を経験できると、それが一つの既成事実となって、「別の訓練も必要だからやらせよう」とか「この訓練経験があるならこれも・・・」というように、さらなるチャンスが与えられるようになっていきます。

もし、「ちぇっ、まだ船外活動訓練やらせてくれないのかよ」と思ってアクションを取らなかったら、それでおしまいだったかもしれません。

やりたいことを実現するには、環境を恨んだり、何をしたらいいかわからないと言いわけしていても仕方がない。経験や努力を強引にでもゴールに結び付けるようにしていこうじゃないか。

これも仕事一般への姿勢として、とても重要ですね。つい環境や他人のせいにしたくなる自分への戒めとしたいと思います。

 

こういった感じで、仕事に関連する気づきが多く得られる一冊ですが、純粋に「へえ~、面白いなあ!」と思える話や トリビア (死語^^;) の宝庫でもあります。

宇宙空間でいろいろな遊びにチャレンジした中で、意外にも「あやとり」がものすごく難しかったとか、先輩宇宙飛行士の毛利衛さんは、高速回転いすに乗って宇宙酔いに耐えるツラい訓練をするとき、奥さんの出産の立ち合いで学んだラマーズ法を使って乗り切ったとか(笑)

特に科学的な知識がなくても楽しくよめて、勇気とやる気がわいてくる。文体はクールながら、アツいメッセージがじわじわとにじみ出ている好著です。高校生や大学生など、若い人には特にオススメしたい一冊です。

 

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