最近すっかりクラシックにはまっている私ですが、一番好きな曲は何かと言われると、何といってもコレということになります。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番!
私はもともと「ピアノ協奏曲」というジャンル、つまりオーケストラ付きのピアノ曲が大好きです。ピアノの音そのものが好きだし、オーケストラとの共演(競演?)まで楽しめるからです。
その大好きなピアノ協奏曲の中でも、このラフマニノフの3番は私の中でダントツの一位です。ラフマニノフのピアノ協奏曲というと、世の中的には2番のほうが有名で人気だそうですが、私はやっぱり3番のほうが好きですね~。
やや静かに薄暗い雰囲気でスタートするこの曲。 もの寂しげだけど、とても美しいフレーズのオンパレードです。
そして最終楽章のラストでは、昇天してしまうほどロマンティックな盛り上がりを見せ、明るく華々しく終結します。この部分は何度聴いてもとろけます(笑)
ずいぶん昔、どこかの某男性誌で、「ラフマニノフのピアノ協奏曲を聴いて●●ない女はいない」みたいなことを書かれていて「なんじゃそりゃ」と思ったものですが、この曲を聴いてみて「確かに!!」と納得しました(笑)
この「第三番」、ピアニストに極めて高度な演奏技術を要求することで知られます。
聴く方は気楽に「ロマンティックだ」とか言ってられますが、演奏するほうは相当大変でしょう。
私はこの曲のミニスコア(楽譜)を持ってますが、ピアノパートの楽譜は細かいおたまじゃくしの行列です。
作曲者のラフマニノフは、自身が凄腕のピアニストであり、1909年の初演時も自らピアノを弾きました。しかも巨大な手をしているため、片手で1オクターブ半離れた鍵盤を同時に弾くことができたそうです。
彼のピアノ協奏曲には、そんな「すご腕」・・・いや、「すご手」のラフマニノフが、自分で演奏できるギリギリの難しさの表現を随所にちりばめて作られているので、かなり離れた音を同じ手で同時にならしたりという難しいテクニックを要求される難曲にしあがってます。
でも、非常に美しく壮大な曲ですし、ピアニストが自分の演奏技術を見せつけるのにうってつけの曲なので、「これを弾きたいと思わないピアニストはいない」とも言わるらしいです。
っていうか、私も弾きたいです!(絶対無理だけど。笑)
さて、クラシックはよく演奏者によって全然違って聴こえるから、同じ曲を聴き比べるのが楽しい、なんてよく言われます。
私は、クラシックを聴くようになる前は、「アレンジなしのまったく同じ楽譜を弾いたら、同じに聴こえるに決まってるだろ」 などと思ってましたが、実際、ほんとに相当違います。
むしろ、楽譜が同じであるだけにいっそう違いが際立って感じられる、と言えるかもしれません。
特にこの曲は、テンポの揺らし方、間の取り方、強弱の付け方の幅が広く、演奏者やオケによる違いが如実に出ると思います。
だから、私が聴いた20枚以上ものCDの中には、正直あんまり肌に合わないというものもたくさんありました。
その中で、演奏、録音状況、すべてが私のフィーリングにピッタリ来た「暫定マイベスト」がこちらです:
『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番』
カップリング: パガニーニの主題による狂詩曲
ジョン・ナカマツ(ピアノ)
ロチェスター・フィルハーモニー管弦楽団
2001年9月11日発売 (9.11の日ですか・・・)
ピアニストのジョン・ナカマツ氏は日系アメリカ人。音大でアカデミックに音楽を学んだ経験がなく、ドイツ語の教師をしていたという、一風変わった経歴を持っています。
教師をしながらピアノを弾き続け、1997年のヴァン・クライバーンコンクールでGold Medalを獲得したことをきっかけに演奏家としてのキャリアを踏み出しました。
彼の演奏は、一聴したところおとなしく聞こえますが、内部に強い熱量を秘めていることがわかります。
やたらと技巧を見せびらかすのではなく、音の流れを自然につむぎ出すような演奏ぶりが、私のこの曲へのイメージとピッタリなんです。
あまり有名な録音ではないと思いますが、米国アマゾンのレビューでも評価が高いです。この曲が好きな方や興味のある方に、オススメいたします!
ちなみにアマゾンではmp3版もダウンロードで購入できます。
Rachmaninov: Piano Concerto No. 3 & Rhapsody on a Theme of Paganini
最後に映像をご覧ください。
ジョン・ナカマツが賞を取った1997年のヴァン・クライバーンコンクールの映像です。
ナカマツの「ラフ3」は4:30あたりから。最終楽章のラストの部分です!