新米パパの小さな発見手帳

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二大ピアニストの幸福な激突! まるで音の万華鏡のようなライブ 『Get Together』 by 矢野顕子&上原ひろみ

      2013/09/23

今夜は、私が最も愛するミュージシャンの一人、アッコちゃんこと矢野顕子のすばらしいアルバムを紹介します。

思い入れのあまりちょっと長くなりますが(^^;)、よければおつきあいください。

 

『Get Together ~LIVE IN TOKYO~』
矢野顕子&上原ひろみ
ユニバーサルミュージック
2011年11月23日リリース

 

 

矢野顕子は1976年にアルバム「Japanese Girl」でソロデビュー。その当時から、誰にもマネできない独特の音楽性で、国内外のミュージシャンからの注目を集めていた実力派シンガーソングライターであり、ピアノの名手です。

彼女は、坂本龍一の元奥さんとしても有名ですよね。スタジオジブリのアニメ映画「ホーホケキョ となりの山田くん」のテーマ曲「ひとりぼっちはやめた」を歌っていたのを覚えている方もいるんじゃないでしょうか。

そんな彼女の最大の魅力は、やはりなんと言ってもピアノ弾き語りの歌にあります。

むかし矢野顕子は「足でピアノを弾く天才少女」と言われたことがあるんだそうです。

もちろん本当にけんばんを足でポンポン弾くわけじゃなく(笑) 何かの比喩なわけですが、つまりそれだけ彼女のピアノは衝撃を持って受け入れられた、ということなんだと思います。

 

矢野顕子の書く曲は、1つのジャンルにくくるのは難しいです。

あえてジャンルわけするなら「ポップス」になると思いますが、ジャズの要素もかなり強いですし、民謡や童謡をモチーフにした和風の曲があったりもします。

それなのにどの曲も、誰にもマネできないアッコちゃんワールドを確実に作っている。言葉でうまく説明できないんですけど、ほんとにすごいんです。

彼女の演奏はとてもやさしくて、自然な愛情にあふれています。それでいて決して押し付けがましくない。楽しい気分のときも、悲しいときも、そっと聞く人の心によりそってくれるような、そのへんの感覚がすごく心地いいんです。

こう言うと、矢野顕子はよくありがちな毒にも薬にもならない「癒し系」(私の言葉が毒々しいですね。笑)なのかと思う人がいるかもしれませんが、それは全く違います。

だいぶ昔ですが、テレビ朝日系の「Mの黙示録」という音楽番組の中で、矢野顕子を「なぐさめ系ミュージシャンの元祖」とかいって紹介されていて、かなり不満だったのをいまだに覚えています^^。

というのは、その言い方は彼女の魅力のごくごく限られた一面しか表していないからです。

彼女は「足でピアノを弾く」と言われただけあって演奏テクニックはものすごく、アドリブもバリバリ入れてくるので、すごくエキサイティング。

そしてどの演奏も手加減なしの本気勝負。時には鬼気迫るとしか言えないほどすごい表情で演奏に入り込みます。

ちょっと微笑みながら歌ったり、激しく感情をたたきつけたり、そっとささやくように歌ったり・・・。

そしてアッコちゃんの演奏を聞いていると、ほんとに歌うのが楽しくてしょうがないんだろうな、音楽が大好きなんだな、というのがひしひしと伝わってきます(映像を見るともっとよくわかるんですけどね)

そんなふうに、音楽との幸福な関係を感じられることが、彼女の音楽を聞く一番の喜びかもしれません。

「やのコレ」という有名な矢野顕子の非公式ファンサイトでは、彼女の音楽を「厳しさと楽しさが高いレベルで共存した音楽」と評していますが、これこそ彼女の奏でる音楽の魅力をピタリと言い当てている表現だと思います。

 

そんなアッコちゃんの魅力が最も強く発揮されるは、やはりライブです!

前置きが長くなりましたが、今回取り上げたアルバムはライブ音源なんです。

しかも、世界で活躍する若手ジャズピアニストの上原ひろみ(今や飛ぶ鳥を落とす勢いですね)と共演したライブのアルバムなんです。

アッコちゃんと上原ひろみは、2004年にNHKの番組で共演したのがきっかけで、お互いのアルバムにゲスト出演するなど親交を深め、ついに今回の共演につながったのです。

1曲目「Children in Summer」は、夏休みに田舎の(たぶんおじいちゃんおばあちゃんの)家に遊びにいった子どもを歌った曲。

実は、私が初めて買った矢野顕子のアルバムの1曲目が、この曲でした。まるで私自身の子ども時代のことを歌ってるんじゃないかと思うような歌で、センチメンタルな気分をかき立てる歌詞と曲調が大好きな曲なのですが、まさかこれがライブ版で聴けるとは思わなかった。

しかもこの演奏が、もう最高としか言いようがない!

静かな昼下がりのようなゆるやかな立ち上がりから、徐々に2人のピアノが熱を帯びていきます。

後半の二人のピアノのぶつかりあう部分の激しさと美しさは、言葉になりません。久々に音楽を聴いてリアルに鳥肌が立ちました。

実は、CDに入っているのと同じライブと思われる映像が、Youtubeにアップされていました。

 

 

いやあ、何度聴いてもイイです。

音楽のすごさもありますが、2人がちょこちょことアイコンタクトをしながら演奏するときの表情の幸せそうな感じと言ったら! 見ているほうまでニコリとしてしまいそうです ^-^

この曲のほかにも、上原ひろみの「月と太陽」、矢野顕子の代表曲「ラーメンたべたい」など、名演が続きます。

個人的に、矢野顕子の数多くのアルバムの中でもベスト3に入る傑作だと思います。

残念ながら、アッコちゃんのあの「声」が苦手という人って、けっこう多いんですよ~。

ぜひその「声が苦手」という先入観を乗り越えて、少しでも多くの人に矢野顕子の音楽を聴いてほしいなあと思います。

(今回は我ながらちょっと熱く書き過ぎてしまいました^^;)

 

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