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電磁気学マンガ・挫折の理由

最近の理系大学生向けの教科書の中には、マンガで物理や数学の解説をしてくれるという本が、たくさん出ています。

私の部署に新しく加わった新人くんがいるのですが、先日、大学レベルの電磁気学を一から勉強する必要に迫られた彼は、こんな本を買ってきました:

 

『東大流 まんが電磁気学』
作者: 石川真之介
講談社

 

マ、マンガですか・・・^^;

 

彼は一応ちゃんと理論を身につけたいと言っていたので、「もっと普通のやさしめの教科書から始めたらいいのに」と思ってしまいました。

それでもともかく、彼はやる気をもってこの本を読み始めました。

 

そして終日後。

 

やはり彼は

早々と挫折してしまいました(苦笑)

 

私は雑談がてら、彼に挫折の理由を聞いてみました。

マンガだから、理論そのものの説明を一から書いてあるわけではなく、初学者にはつらかったのではないか、と。

すると彼は「それもあるんスけど、もっとほかに理由があるんです」と言います。

彼が言うには、

 

  「絵がヘタすぎる」

  「話がベタすぎる」

だから読む気がしなくなった

 

のだそうです。

まあこのへんは勉強しない言いわけのような気もしますが(笑)、そう言われるとどんなマンガなのか気になります。

そこで私はこの本を借りて、パラッと見てみました。

 

まず、彼が問題視する絵柄に関しては・・・

表紙を見て頂いてもわかると思いますが、

 

確かに ちょっとアレ ですね

 

よく言えば素朴なテイスト。悪く言うと、ちょっと素人っぽい印象が正直あります。

なんでもこの本は、「東大まんがくらぶ」所属の東大生の作者が、ストーリーや物理の解説の部分から作画まで、基本的にすべて一人で書いたもののようなんです。

そこまでやってしまうとは、素直に感激してしまいますが、正直な話、絵は専門の人に任せたほうがよかったんじゃないかな?^^;

 

そしてもう1つの問題点、ベタ過ぎるというストーリーのほうは実際どうなのか。

私はパラパラとしか読んでませんが、だいたいこんな感じでした。

(ネタバレ注意)

 

物語の主人公は高校生の女の子です。

 

彼女は、ひょんなことから物理の得意な大学生の先輩に、電磁気学を教えてもらうことになりました

 

難しい電磁気学をわかりやすく教えてくれる、すごい先輩。

 

学んでいくうち、そんな先輩への好意がつのっていき(笑)

 

そしてエンディングでは、

「先輩、教えてくれてありがとう。

チュッ!

 

・・・めちゃくちゃベタだわ、これ(笑)

 

あまりに基本に忠実なので、思わず笑ってしまいました。

しかし、天下の東大まんがくらぶの

ストーリー創作力はこの程度なのでしょうか(こらこら)

新人くんが挫折した理由もわからんではないな、と思いました(笑)

 

とはいえ、繰り返しになりますが、絵から物語から勉強まで全部やってしまう作者のスキルとバイタリティーには素直に脱帽するしかないですね。

石川先生の次回作(あるのか?)に期待しましょう^^

 

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