新米パパの小さな発見手帳

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『数字のカラクリを見抜け!』 グラフを読みとるとき、初心者が陥りがちなワナがよくわかる

      2013/07/02

私は電気系の技術者という仕事がら、グラフを描いたり、グラフから情報を読みとったりということを毎日のようにしています。

グラフというのは、しょせんは数字を図に表わしただけのものだから、Excelを使えば誰だって描けるし、内容も見れば理解できる・・・と思う方もいるかもしれませんが、実は意外にグラフの読み書きでミスをする人は多いものです(私も含め)。

 

私が所属する職場のチームに新しい若手エンジニアがやってくると、私がよく教育係のような仕事を担当します。

そのとき、意外に基本的なところで、グラフの読み描きに関するミスをやらかす新人さんが多いと感じています。

 

一番基本的なミスの例をあげてみましょう。

グラフを作るときに縦軸と横軸の値が何を表わしているかを記入していないことが、着任したての新人さんにはよく見受けられます。

単に書き忘れているならまだいいんですが、「横軸の値と単位は何?」ときいても答えられなかったりするんですね^^

軸に目盛と数値だけが書いてあっても、それが時間なのか、長さなのか、といったことがわからなければ、当然ながらグラフの解釈のしようがありません。

何を基本的なことを、と思うかもしれませんが、こういうミスをしてしまう人は(私の身の回りの新人さんには)けっこう多いのです。

 

もう1つ初歩的なミスの例。

とある新人さんが、横軸に時間、縦軸に電流のグラフを持ってきて、「この時刻だけ、急激に強い電流が流れてます!」と報告してくれました。

ですが、各時刻の電流値をよくよく見てみると、

100.1、 100.2、 100.0、 100.8 ←ここが強い 、 100.2、・・・  (単位は[mA](ミリアンペア))

となっています。

そう、ほとんどすべての時刻で、縦軸の電流値が100[mA]なんです。

よほど微妙な値の変化を見る場合は別として、普通は「電流は時間によらずほぼ一定値」と解釈すべきところです。

ところが、新人くんが作ったグラフの縦軸の最大値が101、最小値が100になっていたものだから、 100.8[mA] の瞬間だけグラフがピョコンと激しく立ち上がって見えてしまったのです。

このミスには無理のない面もあって、Excelでグラフを作製すると、縦軸・横軸の表示範囲が、すべてのデータ点がだいたいギリギリにおさまるくらいの狭さになるように、自動的に調整されてしまうんですね。

だから、値がほとんど一定値でも、その中での誤差レベルのわずかな変化が、拡大されて見えてしまうことがあります。

Excelの親切さが、かえって仇(あだ)となってしまうケースです。

 

・・・とまあ、これらはごく一例ですが、グラフの読み手に伝えたい情報がきちんと伝わるグラフを作ること、そして作られたグラフを正しく解釈すること、これはそんなに単純なことではありません。

そんな、データを見慣れていない人が陥りがちな間違いを、経験の浅い人にもわかりやすく説明してくれる本を、最近読んだので紹介します。

 

『数字のカラクリを見抜け!』
吉本佳生・著
PHPビジネス新書

 

この本には、ビジネスや日常生活で見かけるグラフの意味を読みとるときに、うっかりおかしてしまいがちな誤りが、具体的にわかりやすく書かれています。

一応グラフには慣れているつもりの私も、いくつかのグラフにまんまと騙されてしまいました^^;

ビジネス上の数字に弱いと感じる人が、一夜漬けの勉強で数字に強くなりたいなら、とにかく〝期間〟に気をつけること。これだけで相当に数字に強くなれます。基本は、数字を読むときには、期間をチェックし、必要に応じて自分が知りたい期間に合わせて調整してみること

グラフは、必ずといっていいほど、なんらかの錯覚を引き起こします。
錯覚を確実に避ける方法は、グラフに頼らないこと。グラフなどつくらず、表をみて考えるのが一番簡単な対策です。

グラフで大切なのは、折線グラフや棒グラフの部分ではない。タイトルや軸や下に書かれている注意書きの部分、特に、縦軸と横軸が大切

プラスにもマイナスにもゼロにもなるような数字について、全体の何%を占めるとかいう計算をしても、あまり意味がないことが多い。

こんなふうに一部を引用しただけでは「何のことやら」という感じだと思いますが(笑)、著者の説明はとにかくわかりやすく、本質的なところを押さえていと思います。

グラフに苦手意識がある方、もっとうまく読めるようになりたいという方には、文系理系やお仕事の内容を問わず、おすすめの一冊です。

ちなみに、タイトルが「数字のカラクリ」となっていますが、内容はグラフの読みとりかたにほぼ特化しています。統計的なデータ分析については記述がほとんどないので、その点はご注意を。

 

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