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傑作タイムトラベル小説 『タイム・リープ あしたはきのう(上・下)』 & 硬派なライトノベルは消滅したのか?

投稿日:2013年7月10日 更新日:

私は高校生の頃、いわゆる「ライトノベル」にはまっていたことがあります。

特に、当時創刊されたばかりの「電撃文庫」の作品は、かなりたくさん読んでいました。

電撃文庫を発行していたメディアワークス(現在のアスキー・メディアワークス)は、新人作家を発掘する「電撃ゲーム小説大賞」というものを開催していて、その第一回の金賞に輝いたのが、高橋京一郎さんという方でした。

高橋氏の作品はその後何作かメディアワークスから発行されたのですが、私は読む機会がないまま、いつの間にかライトノベルの世界から離れていってしまいました。

 

そして時は巡って2013年。

Amazon.co.jpで面白そうな電子書籍がないかなあと物色していたところ、とても懐かしい作品を発見してしまいました。

それが、高橋京一郎氏の小説『タイム・リープ きのうはあした』です。

(上下巻あり。紙の本は絶版で、キンドル版(電子書籍)のみ購入可)

 

この本、単行本が出たのが1995年、文庫化が1999年です。発表かもうすぐ20年になろうかという作品です。息の短いライトノベルの世界では、とっくに忘れ去られてもおかしくない、古い作品と言えます。

ちなみに試しにアマゾンの電子書籍で「電撃文庫」と検索すると、ほぼ全てが2012年以降に刊行された作品です。紙の本を電子書籍にするにも手間がかかりますから、人気のある作品でないと古い作品が電子化されることはないのが現状です。

そのうえ、高畑氏はもう10年近く作品を書いていないのです(引退した??) 新しくファンが増えているということもないはずです。

そんな状況で、この本が電子書籍化された。これはものすごい驚きでしたし、おもしろい本なのかなあと興味をひかれました。

というわけで、学生時代以来 手にしてこなかった電撃文庫の作品を、キンドルで読んでみたのでした。

 

結論から言うと、この本、とっても面白いです。

「タイム・リープ」とは、直訳すれば「時間跳躍」ということで、文字通りタイムトラベルもののお話です。

といっても、宇宙のかなたの物語ではなく、お話の舞台は現代の日本。主人公は高校生の女の子、鹿島翔香です。

彼女はある日突然、前日の記憶がまったく無いことに気づきます。なぜ何も覚えていないのか、その間にいったい何があったのか。それを明らかにするため、翔香はクラスメイトの若松和彦とともに、ある日から別の日へと時間を跳びまわりながら、真相に迫っていきます。

タイムトラベルものというと、時の流れの中をあっちへ行きこっちへ行きしているうち、物事の因果関係が曖昧になったりメチャクチャになったりして、矛盾だらけの話になってしまうことが多いんじゃないでしょうか(笑) ご都合主義的で、なんでもありの話になったりして。

ところがこの物語では、タイムトラベルに明確な規則性をもたせていて、因果関係の矛盾がほぼゼロのストーリーを実現しています。

だから、良質の推理小説を読んでいるような、読み進めるにつれて確実に納得いく結論に近づいていく充実感を味わえます。

そのうえラストシーンもなかなか良くて、冒頭のシーンとキッチリつながる結末が用意されているし、ちょっぴり淡く切ない余韻を残してくれます。

文章になんとなく古い(今の高校生っぽくない)雰囲気が感じられたり、ライトノベルらしいあっさりした(少し物足りない)感触はありますが、大人が読んで十分楽しめる作品だと思います。ライトノベルは一切ダメという方以外に、おすすめいたします。アマゾン以外の電子書籍としても買えるし、中古でも入手可能ですよ。

 

ちなみに、この機会に最近のライトノベルをいろいろ調べたんですが、私が読んでいたころ(角川スニーカー文庫、電撃文庫なんかが出たてのころ)と比べて、明らかに表紙のイラストの質が変わっている印象を受けました。

いわゆる萌え系の絵柄の作品ばかりになってるようです。女の子も露出が多かったり胸がやたらデカかったりする(笑) それが悪いと言ってるんじゃないですが、だいぶ偏ったラインアップになっていないでしょうか? 気のせいですかね?

私が高校生の頃は、あまりアニメアニメしていないイラストでなかったり、硬派な内容の作品もけっこうありましたが、 そういう作品がほとんど見当たらなくなっている印象を受けました(中身を読まずに言うのもなんですが、表紙の印象から察すると)

もし、「これは硬派だよ」とか「普段ライトノベルを読まないオッサンが読んでも面白いよ!」という作品があったら、ぜひ私に推薦してくださいませ。m(_ _)m

 

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