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年金問題について目からウロコ・・・『先送りできない日本』 by 池上彰

投稿日:2013年9月3日 更新日:

わかりやすいニュース解説で有名な(なんて枕詞も必要ないか)、元NHKアナウンサーの池上彰さんの本を読みました。

池上さんの本を読むのは2冊めですが、具体的な社会の問題について解説した本を読むのはこれが初めてでした。

 

日本の選択 あなたはどちらを選びますか?
池上彰:著
角川Oneテーマ新書
2012年12月10日出版

 

この本では、現在の日本に突きつけられたさまざまな問題(消費税、社会保障、領土問題、etc.)について、池上流のやさしい解説が書かれています。

アナウンサー出身の池上さんらしく、「こうすべき」という自身の主張は控えめにして、論点を整理し、読者に考えることを促す内容です。

民主党の野田政権末期に出された本のため、情報にやや古い点も見られますが、基本的に書かれていることは2013年のいま現在でも有効だと思います。

それにしても、池上さんの解説は悔しいほどわかりやすい!(別に悔しがらなくてもいいのだが。笑)

私も仕事がら、お客さんに製品について噛み砕いて説明する機会が多いのですが、池上さんには毎度「かなわんな~」と思います。

言葉づかいのわかりやすさもすごいと思いますが、物事の全体像の示し方、1つのことを多面的にとらえる見方がこれまた上手なんですよね。その技、盗みたいものです。

 

この本の内容をあれこれ並べたてることはしませんが、個人的にこの本を読んで「そういう考え方もあったか!」と目からウロコに感じたことを1つだけ書きます。

それは年金問題に関する内容です。

 

ご存じのように、日本の国家財政はひどい赤字が続いていて、特に社会保障(特に年金)の支出が年々増え続けていることが問題になっています。このまま何をしなければ遠からず財政破綻すると予想されます。

これを解決するためにいろいろな案が検討されていますが、いずれにしろ所得の低い人に追加の負担を求めるのはなかなか難しい。だから一般に、所得の高い人・企業により大きな負担(税金負担の増加、社会保障の抑制)を求めざるを得ません。

その具体的な案の1つとして、「一定以上の所得の人は国民年金の受給額を減らす、あるいは無くす」ということが検討されています。

こうした案が出てくると、需給が減る立場になる高所得層からは、「全国民が共通で得られるべき年金がカットされるなどとんでもない/不平等だ」という反発が強烈に出てきます。

 

ここからが、私の「なるほど」と思ったポイントなんですが、そういう反発する人に対して「こんな考え方もあるよ」ということを池上さんは指摘しています。

年金というのは、言ってみれば「収入がない状況で長生きするリスクに対する保険」です。

「長生きするリスク」という言い方は不謹慎に聞こえるかもしれませんが、平均寿命が伸びた結果、歳をとって収入が得られなくなったが生活を続けなくてはならないというリスクは、ひと昔前に比べて増えているのは事実です。年金とは、そうした事態に備えるための保険とも言えるわけです。

ところでこの「保険」というものは本来、個人ではどうにもならないリスクに備えて、かけ捨てのお金を出し合って備える仕組みです。だから死亡保険に入っても、加入者が実際に死ななければ保険金はもらえません。

でも、そのことをもって「死ななくて損した」という人はいません(保険金殺人を除けば^^;)。 死ななくてよかったはずなんです。保険料は、万一に備えて安心を買ったのであって、万一のことが起こらなかったことは、喜ぶべきことなのです。

同じことは火災保険、自動車保険、地震保険、あらゆる保険について言えます。

であれば、「長生きリスク保険」である年金についても、同じ考え方ができるのではないか。

つまり余裕のある貯蓄を持つことができ、国民年金を満額もらえなくても大丈夫な状況にある人は、幸いにして長生きリスクへの心配がない状況になれた。

ならば、そこまで支払った年金保険料が戻ってこなくても、それは幸いなこととして甘んじて受け入れても良いのではないか。

 

もちろん、この考え方をナイーブに採用することは危険です。

たとえば、がんばって貯蓄にはげんで余裕を得た人が年金をカットされ、浪費の限りを尽くして余裕がなくなった人が年金をたくさんもらう、といった事態(モラル・ハザード)も起きかねません。

そうなれば、かえって不公平だという反発が出て当然でしょう。

でも私は上であげた考え方には、一理あると思います。

税と社会保障については、痛みを伴わない対策はありえないと思います。であれば、せめて国民が納得感を少しでも得やすいように、このような考え方を丁寧に説いていくことが、実はけっこう重要なんじゃないか。そう思います。

 

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