音楽

ソロでいちばん吹っ切れた印象の快作 『STARLIGHT』 by 吉井和哉

先日、元THE YELLOW MONKEY のヴォーカルとして有名な吉井和哉が、タレントの真鍋かをりと再婚(しかもでき婚)というニュースが流れ、我が家に衝撃が走りました。

というのも、うちのかみさんはイエモン時代からの吉井の熱心なファンだからなんです。

Yahoo ニュースでこのことを知ったかみさんは、私にLINEで「ふざけんなよ!」という怒りのメールを送ってきました(笑)

なんでも、「吉井にはこのまま結婚せずに行ってほしかった」「でき婚ってのが許せん!」ということだそうです・・・

 

さて、結婚を祝って・・・というわけではないんですけど、今年リリースされた吉井和哉のニューアルバムがことのほかよかったので取り上げたいと思います。

 

『STARLIGHT』
アーティスト名: 吉井和哉
レーベル: 日本コロムビア
リリース日: 2015年3月18日

 

2004年にイエモンが正式に解散して以降、ソロとして活躍し続けてきた吉井和哉。

ソロ初期の作品では、イエモン時代の呪縛から逃れようとするかのように、それまでの「グラム歌謡ロック」とでもいうべき路線から音数・音圧を絞ったシンプルなバンドサウンドへと音楽性を変えてきました。

そこに一種の迷いのようなものを感じたりもしたんですが、3rd アルバムあたりからそのような迷いが消えてきて、音に勢いと自信が感じられるようになってきました。

今回の新作『STARLIGHT』は、その路線の最高到達点とでも言うべき作品だと思います。

 

海外の著名ミュージシャンを多数したがえたバンドから叩き出されるのは、力強いのに余分な力が入っていないサウンド。とても視界がよくて、音のヌケがいいです。

イエモン時代の、ドロドロの情念がそのまま放出されたような感じに代わって、いろいろな経験を経て40代後半を迎えた吉井和哉らしい、いい意味で開き直ったポジティブさが感じられます。

そしてこのアルバムで一番印象的だったのは、メロディーのひとなつっこさですね~。

イエモン時代の曲には、歌謡曲に通じるようなすごくベタで人なつっこいメロディーラインが印象的な曲が多かったです。

ソロになってその雰囲気が薄まっていたと思いますが、今作ではそのメロの人なつっこさが(イエモン時代のべっとりした手触りはないですが)これまでになく強く現れていると感じました

 

では、YouTubeの公式動画から、アルバム最後を飾る曲『クリア』をどうぞ。

これこそ、今作「STARLIGHT」で印象的な「力強さ」「吹っ切れた感」「人なつっこさ」をすべて合わせ持った名曲です!

ビートやコーラスに漂うアフリカっぽい雰囲気も実にイイです。(どうでもいいけど、服装がなんだか Polyphonic Spree みたい)

 

 

吉井和哉はこのアルバムの前に、自身に大きな影響を与えた歌謡曲の名曲をカバーしたアルバムを出してます。

歌謡曲のカバーアルバム、そしてこのニューアルバムの人懐っこいメロ・・・

ここに来て吉井は、彼がもともと持っていた歌謡曲っぽい大衆性を避けるのではなく、再び表現に取り込んでいこうと しているように思えてならないです。

もしかすると、長年ファンの間で期待されていたイエモンの再結成ということも、本当にありえるかも??

 

(歌謡曲カバーアルバム)

『ヨシー・ファンクJr. 此レガ原点!!』
アーティスト名: 吉井和哉
レーベル: 日本コロムビア
リリース日: 2014年11月19日

 

 

ちなみにかみさんから聞いた話ですが、吉井和哉の再婚ニュースに対して、Yahoo のコメント欄に

「吉井って誰?」

というコメントが複数あって、衝撃を受けたそうです。「私、歳とったなあ」と思ったらしい(笑)

まあ、確かにいまの中高生なら、ファンでもなければ知らなくて当然でしょうね。

 

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