仕事・ビジネス

新幹線の「切符を拝見」は必要?

私は仕事がら、平均して週に1回以上、新幹線を使って出張しています。東北新幹線も東海道新幹線も、どちらも使うことがあります。

社会人になって最初の頃は、新幹線に乗るたびにワクワクしてました。外の景色を楽しんだり、駅弁食べたりして旅行気分を満喫してました(仕事しろよ)

最近はさすがにそこまでのトキメキはなくなりましたが、それでもやっぱり、新幹線に乗るたびちょっとした高揚感を感じちゃいます。

 

さて、私が東海道新幹線に乗っていて不満なのが、車掌が切符をチェックしにくることです。

ちょっとしたことではあるんですが、新幹線で仕事や読書ですごく集中していたり、ご飯を食べたりしているときに邪魔されると、ちょっとイラッとくることがあります(^^;

そもそもこれって必要なのか、昔から疑問です。

車掌さんは、どの指定席が購入されたか、手元にデータを持っているはずです。その証拠に、間違って予約した席と違う席に座っていると、そのことを指摘されます。

ということは、購入されていないはずの席に人が座っている時だけ切符をチェックすればいいんじゃないでしょうか。実際、JR東日本の新幹線(東北新幹線とか)では既にそういうスタイルになっています。

推測するに、JR東海にとってドル箱路線である東海道新幹線は、少しでもズルをされないように徹底的にチェックしたいということじゃないかと思います。

が、今の「検札」方式だって完璧なチェックになっていません。

「切符を拝見」は、いっそ無くしてもいいんじゃないかなぁと私は思うんですが、どうでしょうか。

 

そんなことをずーっと思っていたところ、ビジネス系出版社のダイヤモンド社のサイトに面白い記事を見つけました。

電子政府が世界一進んでいるとされる韓国の、最新IT事情に関する連載コラムなんですが、それによると、なんと韓国の新幹線にあたる列車の駅には改札がないのだそうです。

なぜかというと、車掌が持っている端末に席の予約情報が入力されており、車掌がそれを見れば、わざわざチケットを確認しなくても、無断乗車の人(勝手に席に座っている人)がいるかどうかわかるから。(詳しくは記事をどうぞ)

コラムを書いた廉氏は、従来人がやっていた仕事を単にコンピュータに代替させることを「電算化」と呼び、ITによってそれまでの世の中の仕組みを根本から見直す「情報化」と区別しています。

そして、人がやっていた改札業務を端末に置き換える日本の発想は「電算化」で、改札そのものを無くす韓国の発想は「情報化」と言えるのではないか、日本ではまだまだ「電算化」レベルでITを活用する場面が多いのでは、と指摘します。

もちろん廉氏は、この例だけから韓国が日本より優れているという意図ではないはずですが、とても考えさせられるエピソードだと思いました。

問題解決全般の鉄則として「目の前の解決策にいきなり飛び付くな」ということがよく言われます。目の前に見えている問題は、もっと本質的な課題の1つのあらわれでしかない場合がある。だから、目の前の問題の本質を考えて、そこに手を打たないと、本当に有効な解決にならないってことですね。

私もどちらかというと、考えるより先に目の前の面白そうなものに飛びつく性格なので(苦笑)、この戒めは非常に身につまされます。

「いい機械と情報システムがある→じゃあ機械に置き換えよう」という短絡した結論に飛びつかず、利用者が快適で事業者も余計なコストを省けるもっといい手がないか考える・・・こういう思考態度は大事だと思います。

 

問題解決というちょっと大げさなところに話を広げてしまいましたが、ともかく私が一番言いたいことは、「JR東海さん、検札やめて欲しいナ」ってことでございます

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