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本当にあった怖い話

暑い毎日が続きますね。こんな日には、「怖い話」で皆さんに涼しい気分になってもらっちゃおう!

というわけで、私が大学生のときに実際に体験した話(単なる前口上じゃないです。本当の実体験)を紹介します。

 

ある日の夜の帰宅途中、私は私鉄からJRに乗り換えるために横浜駅の構内を歩いていました。

すると「すみません」と突然誰かに声をかえられました。

声がした方を見ると、そこにいたのは一人のおばあさん。

だけど私はそのバアさんを一目見た瞬間、「これはあまり関わり合いになりたくないタイプの人だ」と直感しました。

今でもハッキリ思い出せるんですが、顔に生気がなく、目と口にはなにやら気味悪いうすら笑いを浮かべていて、ピンク色の口紅を塗った唇だけが異様に鮮やかに目立っていたんです。

そのバアさんはねばつく声で

 

「今ね、うちに電話しようと思ったのね、だけどね、お金が無いの。
だからね、あんた500円貸してくれない?」

 

と私に言いました。

500円貸せって・・・

いきなり見ず知らずの人にそんなお金を貸すほど、おれはお人良しじゃないぜ?

しかも何だ、人に頼み事をしようというのに、その誠実さの無いしゃべり方は?

そこで私は

 

「交番にでも行って頼んでください。

場所がわからないなら案内しますから」

 

とバアさんに言いました。

しかしそのバアさんはこっちの話など聞かず、

 

「あのさ、今あんたお金持ってる?

あたし今から電話しなくちゃいけないの。だから・・・」

 

と、全く同じような話を繰り返すのみ。

・・・ちょっとおかしい人だな・・・

参ってしまった私は、「お金のことならおまわりさんに相談してください」と言い残して、その場をスタスタと後にしたのでした。

けれど、彼女がまとっていた何とも表現しがたい普通でないオーラが気持ち悪く、私は家に帰るまで、薄気味悪い感覚が抜けませんでした。

 

それから1年くらいが経ち、そのバアさんのこともさすがにすっかり忘れ去っていました。

そんなある日のこと。

ある日の夜遅く、大学の最寄り駅(横浜からは乗り換えしないと来れない東京都内の駅)のホームで、私は帰りの電車を待っていました。

すると突然

 

  「すみません」

 

という声が・・・。

誰だろうと思って声の方を見ると、そこにいたのは一人のおばあさん

・・・ん? なんだろう? ど、どこかで会ったことがある気がするんだけど・・・。

そのバアさんは気味の悪いうすら笑いをうかべて、おれの方を見てきた。

 

うっ!

この顔は・・・

この笑いは・・・

ピンクの口紅は・・・

どこかで見た気がする・・・!!

 

「あのさ、あたしね、電話しなくちゃいけないの」

 

で、電話っ?

こ、これは、どこかで昔似た会話をしたぞ!

 

「・・・・だけどね、お金がないの。」

 

そうそう! 確かにこの会話はしたはずだ!

一体どこで・・・どこで・・・

 

「だからさ、あんた500円貸してよ」

 

やっぱりそうだ!

横浜のバアさん!!

 

あの人とそっくりじゃないか!!

しかも 金額まで同じ!(笑)

急に心の奥から恐怖がわきあがってきて、手にじっとり冷や汗がにじんできました。

 

だけど、ちょっと待て・・・冷静に考えてみろネリノ!

この人があのバアさんとは同一人物のわけがないだろ!

だって、ここは横浜から遠く離れた駅だぜ?

横浜のバアさんがこんな夜にいるわけがないじゃないか!!

面識がないのに、ストーカーみたいなことするはずがない。

なにせ、こういうちょっとイッちゃったおばあさんなんて、よくいるじゃないか。

そうさ、あまりにも似ているけど、別人のはずさ!

たまたま! たまたま!!

するとバアさんは、言いました。

 

  「あんた・・・・

 

  前にどこかで会ったよね・・・?」

 

 

いやああああああっ!!!!

 

書いていると、今でも気味悪さを思い出します・・・

ストーカー被害に遭う人の恐怖が少しわかった、夏の夜でした。

 

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