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あの大前研一が子育て論?・・・【本】大前研一『大前家の子育て』

先日、ふと立ち寄った本屋で気になる本を見かけて、買って帰りました。

 

『「一生食べていける力がつく」大前家の子育て』
著者: 大前研一
文庫: PHP文庫

 

大前研一氏といえば、外資系コンサル会社・マッキンゼーで元日本支社長も経験した、超有名、凄腕の経営コンサルタントです。

現在も著作などを通して、企業経営のみならず、日本という国の在り方に対してまで活発に提言を続けているほか、自らビジネス・ブレイクスルー大学という学校を設立して、世界に通用する経営のプロフェッショナルを育成しようと奮闘しています。

おそらく仕事で超多忙であるはずの彼が、「子育て」などという言葉を発するとは、私はまったくイメージしていませんでした。だからこの本にはかなり興味をひかれました。

読んでみると、大前氏は仕事で多忙にもかかわらず、真剣に積極的に子どものことを考えていたことがわかります。

仕事で超多忙な大前氏が家族のために休みを取ったりしていたとは、新鮮な発見でした。これは私も負けちゃいられませんね^^

 

大前氏は本書の中で、経営コンサルタントらしく、まず子育てのゴール(目的)を明確に定義します。

それは、「自分でメシを食える大人に育てること」

いやあ、これ以上ないほどシンプルです。

ただし自己中でいいという訳では全くなく、その前提として、「自分」「家族」「会社」「社会」の4つに対する責任を果すことをあげています。

これらの大原則については、とても共感しました(この端的なまとめた方がコンサルタントっぽいですねぇ^^)

「4つの責任」に関する話は、本の中にも何度も出てきますし、実際大前氏も折に触れて息子さん2人(既に独立して活躍していますが)に伝えてきたそうです。

そして、以上のことを実現するために、息子たちとは密に対話をし、彼らのやりたい事を理解したうえで、できるだけ応援してやる」 ということを実践してきたそうです。

大前氏は、偏差値ばかりを重視する教育制度や風潮について、かなり手きびしく批判しています。

というのも、今の時代は右肩上がりの経済面の拡大が完全に終わり、決まった正解を速く出す能力より、自分の頭で新しい概念を考えて、まわりの人に伝えていく能力が重要になっているのに、そのための教育が学校では成されていないという考えがあるからです。

だから、たとえば(氏の次男さんのように)子どもが本気でコンピュータに興味を持ったなら、まずそれに気づき、他のことはともかくそのことに関して徹底的にのめり込ませてやるべきだと言います。

 

以上の基本的な考え方には、私も基本的に賛成です。

問題は、どうやって子どもが本当にやりたい事に気づいてあげるか、また気づけるような種まきをしてあげるかですね。これは難しい。

私も、うちの太郎に具体的にどうしてあげたらいいか、はっきり言ってわかりません。

ただ、子どものささやかな好奇心の芽は、大人のなにげない一言で簡単に摘まれてしまうものだと思うので、それは避けたいと思います。

「○○なんてやめなさい」 とか 「○○ちゃんは××やってるからあんたもやりなさい」 「どうしてできないの!」 みたいな言葉は、なるべく封印していきたいです。(それでも言っちゃうことはあるんでしょうけど)

 

本書の中には、正直言って「大前研一やその息子さんみたいな地頭のいい人だからそんなことできるんだろ!」と突っ込みを入れたくなるような点も多々あります(笑)

でも、そういう点をわきに置いて読めば、いろいろと面白い考え方や参考になることが見つけられるでしょう。

終わりには、成長した息子さん2人が、父・大前研一の子育てを語るインタビューコーナーもあって、これも面白いですよ。こんな短いインタビューからも、お二方の優秀さが伝わってきます。

 

 


 

以下では、ややゲーマー向けの話題をもう少し続けます(笑)

この本の中で大前氏は、子どもがテレビゲームをすることについてえらく肯定的な態度をとっています。

なぜでしょうか?

それは

 

・いまの時代に必要なITの感覚が身につくこと

・ゲームによっては学校の勉強以上に実世界の知識が得られること

 

が理由だそうです。

私に言わせれば、どちらも、「そうかなあ? ちょっとゲームを買いかぶり過ぎじゃないかぁ?」という気がします(笑) まあ、遊び方次第ってことですね。

 

面白いことに大前氏は、「役立つ良いゲーム」の具体例をいくつかあげています。

そのうちの1つが、プレイヤーが市長となって街づくりをするシミュレーションゲーム「シムシティー」

大前氏はこのゲームについて、だいたい以下のようなことを言っています(引用ではなく私の言葉で書き直してます)

 

現実の世の中の問題は、ほとんどがトレード・オフ(あっちを立てればこっちが立たない)である。

しかしいまの学校では、答えのわかった問題を解くことばかりに注力し、肝心のトレードオフの対応のスキルが身につかない。

しかしシムシティーは、限られた予算をどこに配分するか考える必要があったり、街を繁栄させ過ぎると問題が多発したりする。その解決の過程で、トレードオフ感覚が養われる

 

うーん、非常に明快な理由だ! すごく納得させられちゃいました。さすが一流コンサルタントは違いますね。

 

そしてもう1つ、大前氏が高評価をしているのが、なんとあの大作RPG「ファイナルファンタジー(FF)」

本書の7つめのコラムのタイトルは、なんと「人生は『ファイナルファンタジー』」ですから。

さて、気になるその理由は何でしょう。

経営コンサルタントの命は、事実とデータに基づく論理思考です。

さぞかし具体的な根拠にもとづいて、FFを遊ぶ利点が述べられているのだろうと思って、読んでみました。

 

(以下、引用。77ページから)

ゲームのソフトの中では、『ファイナルファンタジー』が気に入っています。

なぜなら、このソフトではステージごとにまったく違う運命がパーッと開けるからです。

いままでずいぶん苦労してきたけれど、あるステージまで来たらまったく新しい運命が開ける。

次のステージに行ったら、今度はまた違う運命が開けて行く。

これこそ実際の人生に近いと言えます。

 

ん??

なんか シムシティに比べて、高評価の理由が

ものすごく曖昧です(笑)

ここで言ってることって、あらゆるゲームに成り立つ話じゃないですか?

しかも「ステージ」とは何を指しているんでしょうか?

1面、2面の「面」の意味でしょうか?

だとすると、ゲーム間違えてませんか?

もしかしてファイナルファイトの間違いですか?

 

以上、本の主旨とはまったく関係ない部分ですが(笑)、FF歴20年超のゲーマーなだけに非常に気になってしまったのでした。

 

 

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