最近読んだ本

おじさんもドキドキの恋物語・・・『超訳百人一首 うた恋い。』

私は、2月にアマゾンが出している電子書籍端末 Kindle Paperwhite を買って以来、毎日キンドルで読書をしています。

紙の本は、買ったけど読んでない本が家に山ほどあるのですが、ほとんど手に取らなくなってしまいました。

 

アマゾンの電子書籍コーナーでは、週替わりの特価セールをやっています。

普通の本は紙の本と比べてせいぜい1割程度安いくらいなんですが、特売コーナーでは毎週20冊くらいの本がピックアップされて、なんと紙の本の半額から8割引(本によります)という超特価で電子書籍版を買うことができるんです!

しかも、「全然売れない本を無理して売ろうと安く出している」というわけでもなく、わりと新しい本でなおかつ人気作が揃っているんです。

たとえば本日時点の特価コーナーでは、ちょっと前に超話題になった「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」が、紙の本の定価が1,680円のところを400円(!)になっていたりします。

これだけ安いと、定価では絶対に買うつもりがない本でも、「ちょっと話のネタに読んでみようかな」という気になったりします。

本好きにとってはこれは悪魔の囁きです。こういう甘い判断でポイポイ買っていくと、キンドルの中に読み切れない電子書籍がたまっていきます。

まして、家に積んである紙の本はそのままお蔵入り状態、立てていた読書の予定なんてパーです。困った・・・

 

もちろん困ったことだけではなくて、そんなに期待せずに買った本が実はものすごく面白かった、という嬉しいケースもあります。

というわけで、毎度のように前置きが長くなりましたが(笑)、今回紹介するのは、アマゾンのキンドルショップで特価で購入した本です。それまで私はこの本の存在すら知りませんでした。

(下のリンクは紙の本へのリンク。キンドルショップのこの本の特価販売は終了しています)

 

『超訳百人一首 うた恋い。(第1巻)』
杉田圭
メディアファクトリー:刊
2010年8月4日発売

 

表紙画像でおわかりのとおり、私みたいなオッサンにはだいぶ敷居の高そうなマンガでございます(笑) キンドルでなかったらまず買わなかったでしょう。

この本は、かるた遊びでも有名な『小倉百人一首』をテーマにした作品です。100首の短歌の中から「恋の歌」ばかり6首を選んで、その歌が詠まれた当時の状況や読み手の想いを描いた、オムニバス形式の作品になっています。

短歌とか古典というとなんだか難しそうですが、堅苦しいお勉強的な雰囲気はまったく無くて、今の世の中の私たちでもものすごく共感できる、しかも幸福というよりは切ない恋の物語になっています。

私は女性向けとか恋愛モノのマンガをほとんど読まないんで、免疫ができてなくて、逆にたまに読むと異常にハマってしまったりします(笑) このマンガも、「もう家庭を持って落ち着いたおれが、今ごろ恋だなんて・・・」ってな感じで冷めた目で読んだんですが、どのお話にも胸がキュンキュン(←歳を感じる表現)してしまいました

タイトルに「超訳」とあるのはどういうことかというと、巻末に全100首の短歌と、そのかなり大胆な現代語訳(つまり超訳)が載ってるんですね。古文の文法などがわからなくても、なんとなく歌の情景が見えてきて面白いです。

6話のエピソードの合間には、百人一首の選者とされる藤原定家(これがまた美少年キャラっぽくなってます)が、平安時代などの文化・習慣についてのプチ情報を教えてくれていたりするので、知的好奇心も満たせちゃう一冊です。

百人一首や源氏物語なんかに興味にがある方、または平安ロマンにひたりたい方には(私のようなオッサンも含め)、オススメです。

 

ちなみに、私が特価とはいえなぜ百人一首の本を買ったのかというと・・・

実は私は、高校生の時代に百人一首の競技かるた部に所属していたんですね。珍しいでしょう?^^

あまりマジメな部員ではなかったのですが(ちょっと心残りです)、それでももちろん百首の短歌は完全に覚えてました。

ただ、歌の意味がわかっていたかというと、これがもう、ほとんど全くわかっていなかった。ただただ丸暗記しただけ。

そんなわけで、「超訳」という響きに惹かれて、歌の意味を知りたくて買ったのでした。

今回、その超訳を見て、「えっ!? こんな意味だったの?」と思う歌がたくさんあり、目からウロコが飛び散りまくりでした。

同時に、高校時代という記憶力全盛のときに覚え込んだはずの短歌にも関わらず、「あれ、こんな歌あったっけ?」と思う歌がかなり多くて(笑)、自分の忘却力のすごさを恐ろしく感じたのでした ^^;

 

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