音楽

Imeruatのイベントに初参加!

これまで何度かブログに書いてきましたが、私が愛してやまない作曲家の浜渦正志さんと、アイヌの伝統音楽やダンスで活躍するMinaさんのユニット、Imeruat (イメルア、アイヌ語で「稲光が光る」の意味)のイベントに、昨日7月6日、初めて参加してきました。

Imeruatは、Minaさんのルーツであるアイヌの音楽と、浜渦さんの持ち味である流麗なピアノが雑妙に調和し、なんとも不思議な魅力を放つグループです。興味がある方はYouTube で検索してみてください!

今回の参加したのは音楽のライブではなくて、2本立てのイベントでした。前半がお昼の3時からあったダンスイベント&トークショーの Theater Imeruat (シアター・イメルア)。後半が夜の7時半からのファンイベント Cafe Imeruat (カフェ・イメルア)でした。

 

会場は東京の新宿区、神楽坂にあるイベントスペース、神楽坂セッションハウス。神楽坂駅に開演前に着いたものの、どうしたことか会場が見つかりません。

一応家を出る前にネットで場所をチェックしてきたんですが、地図や住所をメモしていませんでした。しかもこんな時に限って携帯も忘れてしまい、延々ウロウロ。地元の人っぽいおばさんにお店の場所を尋ねるもわからないと言われ、途方に暮れてしまいました。

同じところを何度も行ったり来たりしたあげく、「おかしいな、やっぱりこの辺のはずなんだけど・・・」と思ってふと見ると、駅のすぐ裏に工事中の細い路地が。

とても細いし、通行止めだと思って無視していましたが、実は歩行者は通れることが判明。一応行ってみようと思ってその路地を行くと・・・ありました(苦笑)

まさかこんな細い路地とは思いませんでした! しかも完全に道をふさいで工事してるとは、まったく意地が悪いです。神楽坂はほんとに細い路地がいっぱいあるので、迷わないとよ~く気をつけないといけない場所だなと痛感しました。

そんなこんなで、初めてのイベントでさっそく遅刻(苦笑) 開演時間を過ぎてしまっていたので、途中からコソコソと会場に入りました。なんと会場は満席で立ち見状態でした。予想以上の大盛況でした。

 

さて、Theater Imeruat 。これは相当に斬新で、野心的なイベントでした。

コンクリ打ちっぱなしの会場の壁に、映像作家のスギモトトモユキ氏が作った映像が投影され、その前でImeruatのMinaさんがダンスパフォーマンスを繰り広げます。BGMはもちろん浜渦さんです。

私が入ったときは、「Improvisation」という曲にあわせて、文字通りMinaさんが即興のダンスをしていましたが、これがスゴい。

浜渦さんの機械的でありながら原初的でもある打ちこみサウンドに、ゲストの寺田典子さんが即興で打ち鳴らすパーカッションがからみ、不思議な緊張感と躍動感にあふれた音世界が広がっていました。

その中で、時に何かに縛り付けられるように苦しげに、時にそこから力強く解放されるかのように舞うMinaさんといったら! これがあの澄んだ歌声でヴォーカルを担当しているMinaさんとは、信じられませんでした。

私はMinaさんがこんなに迫力のあるダンスをする方だとは知りませんでした。実はMinaさんは、PVなどでも鮮やかなダンスパフォーマンスを見せてくれているんですが、私はあまりCD以外の情報を熱心に見ていなかったので^^;、そのPVを見たことがありませんでした

そんな緊張感みなぎる音と映像とダンスにしばし圧倒されたあと、会場がふっと明るくなりました。今度は軽快な室内楽風の曲に乗せて、Minaさんがモップを片手に軽やかなダンスを見せました。

その後、浜渦さんがおもむろに登場して会場うしろのピアノに座りました。

ついに「生渦」が見られて嬉しい! と思う間もなく、浜渦さんがピアノを弾き始めたのですが、その曲はなんと「Imeruat体操第4」なる奇妙なラジオ体操風の曲でした(笑) それにあわせてMinaさんも変な体操風のパフォーマンスを繰り広げます。こ、これは一体なんなんだ??(笑)

なんとも不思議な展開に面食らったところで15分の休憩タイムに。

 

出演者3人&映像担当のスギモトトモユキ氏のトークショーがありました。

「今日はこのような、奇妙なイベントにお越し頂きありがとうございます」のMinaさんの第一声には、思わず笑いました^^

浜渦さん、Minaさんが話すところを、ここで初めて見ました。感情を激しく出すことなく終始朴訥とした話しぶりの浜渦さん、まさにイメージ通りで良かったです(笑) そして、先ほどの鬼気迫るダンスとは打ってかわって、天真爛漫でちょっと天然おっちょこちょいな(失礼)魅力が素敵なMinaさん。イベントの準備や映像制作の裏話をまじえて、まったりした楽しいひとときでした。

 

夜の Cafe Imeruat では、Imeruatの2人がオススメする北海道のお菓子とお茶が配られ、もっとリラックスしたムードで次々とイベントがありました。

お昼の部で募集した来場者の質問に答えるコーナー、PV映像を見ながらの生ビデオコメンタリー、プレゼント抽選会、アイヌの歌の生ライブ、ムックリ(楽器)ワークショップなど、盛りだくさんでした。

個人的にはビデオコメンタリーが面白かったです。さっきも書きましたが、私は今までほとんどPVを見ていませんでした。それだけに、Imeruat本人の解説つき映像をすっかり堪能しました。曲と映像が本当によくマッチしていて、良質の短編映画を見ている印象でした。これほど力を入れて映像を作っているとは、恥ずかしながら知りませんでした。

MinaさんがほとんどのPVに出演していますが、目力のあるキリッとした表情が本当に印象的で、まるで女優のようだと思ってしまいました。そして、トークしてるときとえらい違いだなあ、と(笑)

 

それにしても浜渦さんとMinaさん、見れば見るほど好対照なお2人です。なんでこの2人が一緒にユニット組んでるのかな~と、不思議にも思えるほどです(笑)

でも今回、合計5時間にもおよぶイベントに参加して、わかった気がします。この一見逆に思える2つのものが一緒になったときに生まれる面白さ、楽しさ。それこそがImeruatの魅力なんじゃないかな、と。

そもそもImeruatの音楽は、クラシックを思わせる浜渦さんの美しい音色と、アイヌの自然が匂い立つような古来からの音が、不思議なほど違和感なく同居しています。どちらかに完全に偏ることがありません。

Minaさんは、アイヌの伝統歌(ウポポ)や楽器(ムックリ)を歌ったり、アイヌ文化の紹介のために学校をまわって講演するほど伝統に造形がありながら、現代的なダンスを軽やかに踊り、Twitterでつぶやき、お茶目なトークで楽しませてくれます。

そして、あれだけ本格的なパフォーマンスを見せたあと、唐突に「Imeruat体操第4」などというおふざけをやってしまう(笑)

異質なものが刺激し合えること。調和すること。素敵じゃあないですか!

そんなことを感じ、音楽だけでなく、Imeruatの世界観や表現全体に、さらにさらに興味をかきたてられた一日でした。次回はぜひライブにいかなくては。

 

ちなみに、Imeruatのライブでは恒例なようですが、イベントの最後にサイン会がありました。

初めて参加したことを伝えると、「えっ? あ、ほんとに? ありがとうございます! でも、初めての人にしてはちょっと変わったイベントだったでしょ(笑)」と気さくなMinaさん。

また、私の中で浜渦さんという人は「雲の上の人」というほど憧れの人だったんですが、丁寧に応対してくださって感激しました。サイン入りのImeruatのDVDは、家宝にします(笑)

 

追伸:

今日家で Imeruat の「春の霞」という曲をかけながら、もうすぐ2歳になる太郎(息子)がうっとりした表情でスピーカーを指して「この曲、聴いてるの~」と言ってました。

普段、童謡以外の曲にはまったく反応を示さない太郎ですが、何か琴線に触れるものを感じたのでしょうか。さすがは浜渦音楽です(笑)

 

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