早いものでもうすぐ8月も終わりです。暑い日が続いているから実感がありませんけどね。
皆さんは、どういうときに「夏の終わり」を感じますか?
私の場合、道を歩いていてセミの死体を見かけることが増えてくると、「ああ、もうすぐ秋だな」と思います・・・変ですかね? (^^;
ようやく来週あたりから、少しずつ涼しくなってくるそうですよ。
さて、この時期になると思いだす名曲を紹介します。
私の大好きなキリンジの『クレイジー・サマー』です。
この曲は、ひと夏の「クレイジー」な恋愛の終わりを歌っています。
激しく惹かれあいながら、夏が去るのと同時にはかなくも終わってしまった恋愛。それをぼんやり想い出しながら、夏の終わりの夕暮れに浜辺で一人たたずむ男。
これでよかったような、未練が残ってしかたないような・・・心の整理はつかず、抜け殻になったような気持ちで、寄せては返す波をぼんやり眺めている。
夕暮れの空は あかね色~紫色~紺色のグラデーション。それがゆっくりゆっくりと青に沈んでいく・・・
・・・なんかニセ詩人っぽくなっちゃいましたが(笑)、そんな感じの歌詞になっています。私はクレイジーなサマーラブにおぼれた経験は残念ながらございませんが、なんだかとても共感できる気がしてます。
作詞・作曲・ヴォーカルを担当しているヤス(堀込泰行)は、どこまでも穏やかで柔らかな声で歌っていますが、けっこうトゲや 荒っぽさを感じる言葉が混じっているんですよ。
この声と言葉のギャップが、またいいんですね。彼が美しいシルキーボイスで「乱暴に愛した」なんていう歌ったりするのを聴くと、思わずドキリとしてしまいます (注: 私は男ですが)
言葉のセレクション1つ1つが、激しい恋愛の終わりに茫然とする思いを見事に描き出していて、本当に素晴らしいです。ヤスの歌詞作りのセンスの良さを、ひしひしと感じます。
そして、そんな美しくも 退廃的なイメージが、歌詞抜きで音を聴いただけでもパーッと浮かんでくるあたりがまた、キリンジのすごいところです。
たとえば日本語のわからない外国人が聴いても、きっと歌詞の内容が想像できちゃうんじゃないでしょうか。う~ん、すごいです!
私はこの曲が織り成す 夏の終わりのもの憂げな雰囲気がほんとに大好きで、毎年この季節になると麻薬のようにリピートしてしまいます。
収録アルバム
『スウィート・ソウルep』
EMIミュージック・ジャパン
2003年3月26日リリース