うちの太郎@3歳4か月はけっこうな泣き虫クンです。
外を走っていて転ぶと、全然痛くない転び方をしたのに今だによく泣いてます。
病院に行くといっただけでグスグスしはじめ、「今日はチックン(予防接種)だよ」などと言おうものなら「いやだーーー!」と大泣き。病院に着いてから注射が終わるまでおさまりません。
また、眠くなると不機嫌になって何でもかんでも泣いて拒否。自動車で移動中に寝てしまって、でもそんなに経たずに起こさなくてはいけないという状況になると、起こしたときの騒動のことを思って気が滅入ります^^;
というわけで、いままで太郎が泣くときというと、「痛い」「怖い」「気に入らない」という、自分の直感に反することがあったときに限られていたと思います。
でも、最近これとは少し違った状況でグスグスしたり泣いたりすることが出てきました。
たとえば・・・
うちに「となりのトトロ」の絵本があるんですけど、この間夜寝るときにそれを太郎に読んであげました。
以下、ネタバレを含みます(有名なトトロのネタバレで怒る人もいないと思いますが念のため。笑)
「となりのトトロ」では、主人公のサツキとメイのおかあさんは結核かなにかの病気で入院しています。
そして物語の後半では、待ちに待ったおかあさんの一時帰宅が急きょ延期になったという不穏な電報が届きます。
会いたい気持ちとおかあさんの体調への不安に耐えかねたメイは、一人でおかあさんのところにトウモロコシをもってお見舞いに行こうとして、道に迷ってしまいます。
すると、最初はまっくろくろすけやトトロが出てくると嬉しがって話をきいていた太郎の顔がくもってきました。なんだか悲しみを必死にこらえているような表情に・・・。
それでサツキが必死で走り回ってメイをさがすけれど、見つからない! どうしたらいいかわからない・・・といった悲しい場面が続くうちについに
「うおおおおん!」
ああ、泣き出してしまいました^^;
しかも、犬の遠吠えみたいに長くあとを引くような 、なんとも悲しそうな声でなくんで、私と奥さんは顔をみあわせて「えーーー??」と思ってしまいました。
そう。どうやら太郎は「感情移入」をするようになったみたいなんです。
ちなみに太郎はそのあとすぐに泣き止んだんですが、そのあとしばらくの間、太郎は「おかあさん、入院しちゃったの?」「入院しちゃったの?」と何度も何度も尋ねてきました。
実はうちの奥さんは、次男の次郎がお腹の中にいるときに危険な状態になってしまい、入院したことがあるんです。太郎はいきなりお母さんがいなくなり、おじいちゃんおばあちゃんと暮らさざるを得なくなって、さぞ寂しかったと思います。
どうやら単にサツキとメイに感情移入しただけではなく、 そんな自分の経験を重ね合わせて悲しくなってしまったようです。
太郎が何度もきいてきた「おかあさん、入院しちゃったの?」は、自分のおかあさんはもういなくなっちゃわないよね? という確認というか懇願のような気持ちもあったのかもしれません。
これ以外にも、太郎の「感情移入」は何度かあります。
最近、奥さまの大好きなミュージシャン(吉井和哉)が、歌謡曲のカバーアルバムを出しました。で、風呂上りにCDをかけて聴いていたんですが、突然太郎が神妙な顔になって
「この歌、悲しい歌?」
と奥さんにききました。そう、彼がカバーしている歌謡曲は実際、マイナ―調の悲しい曲ばっかりだったんです。歌詞にも「悲しみ」みたいな言葉がダイレクトに入っている歌ばかり(^^
で、そのまま何度か「これ悲しい歌?」「なんか悲しいね」を繰り返したあと、
「うああああん!」
ああ、またやってしまいました! マイナー調の悲しい歌が心にしみてしまったせいか、ついに泣き出してしまって 「たろちゃん、もうこの歌いやだ!」と言い出しました。うーん、音の寂しさまでわかるとは、太郎は繊細なんだかどうなんだか。
せっかく楽しみにしていたCDが届いて喜んでいた奥さんは、「なんだかかけにくくなっちゃったなあ」と苦笑い・・・(^^;
また、最近NHKのおかあさんといっしょの中で、くまのぬいぐるみの歌をやっているそうです。(私は聴いたことがなくて、奥さんからのまた聞きなんですけど)
持ち主の子は、小さいころにこのクマちゃんと仲良く遊んだけれど、やがてそれを捨てる日がきてしまった。そしてクマちゃんがちょっぴり悲しそうにお別れしていく・・・という歌だそうです。
太郎はおかあさんといっしょを見ていてこの歌が流れると、毎回のように急に黙りこんでしまい、口をキッと結んで泣くのをこらえるような表情になるそうです。
そして、自分が大事にしているクマのぬいぐるみを持ってきて、「たろちゃん、クマちゃん絶対捨てないからね!」と宣言するんだとか(笑)
こういうことがあると、親ばかではありますが「物語や歌から寂しさや悲しさを感じられるようになったなんて、太郎もずいぶん大きくなったんだなあ、やさしい子になってきたなあ・・・」 そう思えて、太郎がなんだか愛おしくなってしまいます。