音楽好きの間ではすっかり有名になった THE FIRST TAKE という YouTube チャンネルを知ってますか?
何も装飾のないシンプルなスタジオにポツンと置かれたスタンドマイクの前で、実力派の有名ミュージシャンが「編集無し・一発撮り」の本気の歌を披露する動画を、定期的に公開しているチャンネルです。
今やチャンネル登録者数 500万を超える、音楽好きにすごく注目されているチャンネルです。
7月16日、この THE FIRST TAKE に初めてアイドルグループが登場しました。
エビ中こと私立恵比寿中学の6人です。
※5月に新メンバー3人が加入して9人になってますが、新メンバーの本格始動はまだなので、動画に出ているのは以前からのメンバー6人。
こうして紹介している私ですが、実は2か月前までエビ中については名前を聞いたことがある程度で、全く関心がありませんでした。
ところがいろいろ調べてみると、実は私が好きなミュージシャンが大勢、彼女たちに曲を提供していることがわかりました。
それで YouTube のライブ動画や サブスクの配信曲を聴いてみたら、歌のうまさとライブパフォーマンスのすごさ、一生懸命で不器用でお茶目なキャラクターにどっぷりとハマってしまいました。
私はこれまで女性アイドルに特にハマったことがない単なる音楽好きで、いい曲やアルバムをピンポイントで聴く程度しかアイドルとの接点がありませんでした。まさこんなところに、いい曲をやっているアイドルが隠れているとは、まったくウカツでした。まあ、彼女たちをアイドルと呼ぶのが適切なのか、よくわかりませんが。
まあそんなわけで、今回はTHE FIRST TAKE にアップされたばかりの私立恵比寿中学の『なないろ』の映像をご覧ください。
どうぞ!
この「なないろ」の原曲はアップテンポでダンサブルなアレンジですが、THE FIRST TAKE のバージョンはピアノだけを伴奏にしたやさしいアレンジになっています。
6人のそれぞれに個性あふれる魅力的な歌声と、なんともいえない幸せな雰囲気がシンプルに伝わってくる、最高のパフォーマンスだと思います。
「なないろ」を紹介する以上、どうしても触れないといけないことがあります。
実はこの曲は、若くしてこの世を去った元メンバー・松野莉奈さんへの追悼の想いがこめられているのと同時に、私立恵比寿中学が再び頭をあげて歩き出すことを宣言する、ファンにとって大事な歌なんです。
でも、そのことをあえて言われなければ全くわからないほど 純粋でキラッキラの恋愛ソングの構えをとっていることに、私は逆に泣けてしまいます。
実は作詞・作曲を担当したレキシこと池田貴史は、メジャーデビュー間もないころからエビ中とテレビ番組やライブで共通したり、曲を提供したりと深いつながりがありました(私はこの当時のことを、リアルタイムでは知らないのですが)
そんな池ちゃんですから、デビュー当時からの仲間を喪ったメンバーの辛さは誰よりも理解していたはず。
とてもつらく、深刻な状況に置かれてしまった彼女たちにささげられた、この「なないろ」の歌いだしの歌詞。
それは
「はじまりはキラキラ」
なんなんでしょうね、この言葉のチョイスは。
松野さんへの想いをこめながら、同時に前を向いて歩きだすメンバーを後押しする、しかもこうした背景を知らない人にもスッと入ってくる普遍的なポップソングとして。
こんな難しい条件をすべて満たした名曲『なないろ』は、池ちゃんでなければ作れなかったんじゃないかと思います。
さてさて、聴いていただいてわかると思いますが、エビ中ってほんとに歌もパフォーマンスもめちゃくちゃうまい人たちなんですよ。
しかも単に上手なだけはなくて、みんな声質やボーカルスタイルが異なっていて、それぞれに違った魅力を持ってます。
最初に書いたように、いまが旬の若手のミュージシャンの楽曲提供も多く受けてますが、それら全てを自分たちの色に染め上げてしまう表現力はとてもハイレベル。アイドルに興味がなくても、音楽好な人ならきっとグッとくる曲がたくさん見つかると思います。
それでいて「私たちは歌やダンスがうまいんだ!」という偉そうな雰囲気がなくて、とびきりチャーミングな笑顔と全力のパフォーマンスで、観ているこちらを幸せな気持ちにしてくれるのが最高です。
エビ中は結成から12年になろうとする、アイドルとしてはかなり長寿なグループですが、一般の人には残念ながらほとんど興味を持たれていない(というか、名前も知られていない)グループだと思います。
テレビなどの目立つ媒体に出てくる機会がほとんど出てこないですし、「中学」という名前や「アイドル」というくくりのせいで聴かず嫌いの人も、多くいるんじゃないかと想像します。これは本当に残念!
これを読んで1人でも私立恵比寿中学に興味を持ってくれる人がいれば、すごく嬉しいです。また今後もブログでちょいちょいエビ中の曲を紹介していこうと思います。