今日も昨日に引き続き、歌詞に関する疑問ばなしです。
テレビのCMを見ていたら、自分がよく知っている歌がBGMに流れてくるということは、よくありますよね。
そのとき、歌詞の内容とCMの内容がマッチしていないなあと思った事はありませんか?
私がそれをすごく感じた曲が、コレです。
ギルバート・オサリヴァン(Gilbert O'Sullivan)の「アローン・アゲイン(Alone Again)」です。
曲名を知らない人でも、聴けばきっと「ああ、この曲知ってる!」と思うんじゃないでしょうか。そう、この曲です(笑)
数年おきに何かしらのCMやテレビ番組で使われているように思います。
パッと聞いた感じ、切なくもさわやかな雰囲気に聞こえる曲です。
けれど歌詞の内容は相当に暗いです。生きる苦労を味わい、孤独に打ちひしがれる男の歌です。
私も高校生のときに買った洋楽コンピレーションのアルバムにたまたまこの曲が入っていて、「あ、おれの好きな曲が入ってる!」と喜んだんですが、歌詞の対訳を読んで「え、こんな歌だったの?」と驚いたのを覚えてます。
けれど、この曲の切なくも軽やか雰囲気のせいか、この曲はさわやかな雰囲気のCMでよく使われます
(具体的に何のCMで流れてたかは覚えてなくてすいません!)
でもいったん歌詞の意味を知ってしまうと、素直にさわやか気分で聴けません。
この曲を採用した人は、やっぱり歌詞は気にせず雰囲気で選んだんでしょうね。
もう1つ行きます。
新婚さんに扮する菅野美穂がかわいすぎると大好評の、大鵬薬品「チオビタドリンク」のCMです。
ここ数年、くるりがずっと曲を提供していますが、一番最初のころに使われていた曲が、「Jubilee(ジュビリー)」という曲です。
Jubilee(ジュビリー)というのは、あんまり聞かない英単語ですが、「歓喜」という意味。ちょっと宗教的なニュアンスのある言葉なんだと思います。
いや~、何度見ても、カワイイなぁ!(笑)
いかにもラブラブ夫婦っていう感じで、いいですよね、このCM。
実は私、このCMが流れていたころに妻と結婚したんです。
それで結婚式で流すプロフィールビデオを作ってたとき、CMを気に入った奥さんが「BGMにこれ流そう!」と言われました。
それを聞いた私は即反対しました。
なぜかって?
歌詞を見てみましょう。
CMに使われてる部分です。
♪ 人は それぞれの Life
新しい場所を 探して
うーん、いいですねぇ! 新しい人生の門出に最高じゃないですか。
なにせ歌のタイトルも日本語で「歓喜」っていう意味だし。
そしてそのすぐ後のCMで流れない部分。
♪ でも君とは 離れ離れ・・・
おおっと!(笑)
・・・そう、この歌は実は別れの歌なんですね。
この歌のメッセージは「別れは一つの通過点。未来につながっていくものだ」という、悲しいだけではない内容です。
それでも、別れの歌は別れの歌です。仲むつまじい新婚さんのCMにこの歌を使うというのは、ちょっとどうでしょうか。
チオビタのCM担当の方もきっとそこまでこの歌の内容を知らなかったんでしょうけどね。
あ、でも今ふと思いましたが、もしかしたらチオビタさんもこの歌詞のことは把握したうえで「今はこんなに幸せそうな2人でも、夫婦関係なんて気を抜くと脆いもんだ、気をつけろ!」という人生の先輩からの警告を込めたのかもしれませんね。
・・・そんなわけないか^^;