私が大好きで仕方がない曲を、ジャンル無関係に紹介する金曜日のコーナー。
今日の曲は、誰もが知ってるあのヒット曲、KANの『愛は勝つ』です。
ピアノ弾き語りのメロウな音楽スタイルから、和製ビリー・ジョエルなんて言われたりもするKANですが、その魅力が100%発揮された名曲です。
『愛は勝つ』は1990年にリリースされ、後に山田邦子のバラエティー番組「やまだかつてないテレビ」の中で使われたことで爆発的なヒットになりました。
これがはやったのは私が中学生のころになります。
当時、CDを買うお金もそんなになかったけれど、この歌がえらく気に入った私は、テープレコーダーをテレビのスピーカーに近づけて、やまかつで流れる歌を一生懸命録音してました(笑) いい想い出です。
今はYoutubeでこんなに簡単に映像が見られるなんて、ほんとに楽な時代になりましたね~。
いやあ、懐かしいです!
聴いた瞬間に 「あっ、あの歌だ!」 とわかるイントロの存在感がまずすごい! そしてゴスペル調のちょっと「黒い」感じの曲調がとても印象的です。
余計なひねりのないストレートなメロディーに乗せて歌われる、「必ず最後に愛は勝つ」ということば。
あまりにもシンプル過ぎて耳にタコができそうなメッセージなのに、KANが歌うとなんでこんなに胸を打たれるんでしょうか。きっと気負いも、てらいも、迷いも全くなく、全力で素のままに歌っているからなんだろうなと思います。
PVも改めて見るとかなりすごい映像ですよね(笑) 熱唱するKANをひたすらアップで撮って、撮って、撮りまくる・・・。ともすると「なんだこりゃ?」と思ってしまいそうな映像です。だけど愚直なこの歌の内容を思うと、まさにこれ以外にあり得ない、ピッタリな映像だと感じます。
この歌は、男女の恋愛を歌っているようにも聴こえますが、歌詞には具体的な恋愛の情景は出てこないんですよね。
あくまで「困難でくじけそうでも、最後に愛が勝つんだ!」というメッセージが繰り返される。
だから、片想い中の人も、別れたばかりの人も、あるいは恋愛中でない人でも、どんな立場の人が聴いても、それぞれの「愛」「人との関係」に思いをはせることができる。
そこがいいですよね。聴き手の想像力を限定せず、幅広い受け止め方を許容してくれて。
2011年の4月に、東日本大震災で被災した方々を勇気づけたいということから、『がんばろうニッポン 愛は勝つシンガーズ』がこの歌をカバーしましたが、とても深い包容力のある歌だからこそ選ばれたんだろうな、と思います。
この曲は間違いなく、時代を超えて歌い継がれるスタンダード・ナンバーになるだろうなと思います。
ちなみに、KANはいまなお現役で活躍中です。決して「一発屋」ではなく、良質のポップスを作り続けています。
私は特に、KANが得意(?)とする「情けない男の弱みをグズッとぶちまけるような歌」が好きだったり(笑)
これからの活躍も期待してます!