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【Music】キリンジ『SUPER VIEW』・・・弟脱退なんのその! 最高のポップス職人は健在なり!

今さらの話題ではありますが・・・

もう1か月くらい前でしょうか。私が愛してやまない兄弟二人組の音楽ユニット、キリンジから、弟が脱退するという衝撃のニュースがネットをかけ巡りました。

私が仕事から帰ってボーッとネットを見ていると、なんとYahooのトップページのニュースに「キリンジから弟が脱退」の文字が!

キリンジがYahooのトップニュースに出てくることなんて皆無でした(少なくとも私は見たことがない)

初めてYahooニュースに出たと思ったら脱退の知らせだったとは! ひどすぎます(苦笑)

 

キリンジは堀込高樹と泰行の兄弟2人組ですが、どちらも作詞作曲をしています。作っている曲の割合は、ちょうど半々くらいの感じです。

兄と弟の曲は、初めて聴いた人にはわかりにくいかもしれませんが、けっこう作る曲のテイストが違っているんですね。

兄はかなり作り混んだ美しくも複雑な楽曲を作り、弟はわりと素直なメロディーが魅力の曲を得意としています。

私はどちらかと言えば兄の曲のほうが好きなんですが、それだけだとちょっと濃過ぎてお腹がもたれる感じがします。

そんな兄の曲の間にふっと弟くんの曲が入ると、これがまた清涼剤みたいな感じで気持ちいいんです。

だから私の中では、キリンジは2人揃ってこそキリンジ。兄弟どうしで10年も一緒にやってこれたんだから、このままずっと2人で続けていってくれるだろう、と思っていたんですが・・・。

 

キリンジのホームページに寄せられた弟のメッセージによると、脱退の理由を2つあげています。  元記事はこちら

キリンジでいる時の自分は、いつもある悩みを抱えていました。ひとつは、僕がリードボーカルを担当する以外は、全て役割が同じだということ。作詞作曲、アレンジ、担当する楽器に至るまで同じなのです。そのために、音楽を作る上でのある種のややこしさと難しさを、結成の当初から抱えていました。そしてもうひとつは、兄弟であるがゆえに、お互いを一人のミュージシャンとして尊重した上でのコミュニケーションをとることが困難であったということ。もちろん、不器用ながらお互いをケアすることもありました。しかし、これらの二つがこの度の決断の大きな理由です。

うーん、正直、わかるようなわからないような理由です(特に1点目)。

どちらかというと兄主導で結成され、動いてきたグループという面が確かにあるので、弟がやりたいことが十分に果たせない不満があったのかもしれません。

まあ、当事者でなければわからない思いというものが、いろいろあることでしょう。

どちらの作る曲も大好きな私としては、今後別々に活動する2人の音楽を、これからも楽しみにするだけです。

ちなみに、キリンジは今後は兄・高樹のソロプロジェクト Kirinji として、継続していくそうです。

新しいバンドのようなものを組むのか、ゲストを迎えながらプロデュースするようなプロジェクト的な動きにしていくのか、まったくわかりませんが、要注目です。

 

さて、弟脱退の衝撃がさめやらぬ中、11月7日にリリースされた9枚目のアルバムを、最近聴きこんでいます:

 

キリンジ『SUPER VIEW』

2012年11月7日リリース
(画像クリックでAmazon.co.jpのページへ飛びます)

 

脱退のあれこれがある中、いったいどんな曲を出してきたのか。

2人の迷いやすれ違いが反映された、ギクシャクした居心地の悪い音楽になっていないだろうか・・・

そんな不安を持ちながら聴いたアルバムですが、はっきり言ってまったくのとりこし苦労でした。

はっきりいってこのアルバム、最高です!

最近のアルバムの中では一番の出来じゃないでしょうか。

とにかく1曲目から、キラキラした音の輝きがこれでもかと押し寄せてくる、キリンジ節のポップスの洪水です!

4曲目までの爽快な曲の連続で、ポップス狂の私のテンションはもう上がりっぱなしです。

初期のキリンジのわくわくするようなメロディー・ハーモニーが、久々に帰ってきた感じを受けました。

前作のアルバムで実現させた広がりや深みを持つ音像に、やさしさや人なつっこさがプラスされたような、心地よさに包まれたアルバム。

1曲目「早春」、4曲目「涙にあきたら」、8曲目「バターのように」なんかは、いままでの彼らにあまりなかったんじゃないかと言うくらい、歌詞が優しくて素直な印象です。

こんなものを聞かされてしまうと、「こんなにいいアルバムが作れるなら、もっと2人で一緒にやってくれよ!」と、思わず余計なことを言いたくなってしまいます。

キリンジは聴いたことないけどポップな曲は好きだという人、または「最近のキリンジはなんかイマイチで・・・」という元ファン、そういった人には、ぜひおすすめしたい一枚です。

 

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