最近、うちの太郎は1から10までの数字を言えるようになりました。
といっても、物を数えることはまだできなくて、単に親のマネをして「いーち、にーい、・・・」と数を順に言っていくだけなんですけどね(笑)
それで気づいたんですが、私と奥さんとで、数の教え方が微妙に違っていたんです。
ネリノ方式 「いち、にー、さん、よん、ごー、ろく、なな、はち、きゅう、じゅう」
奥さん方式 「いち、にー、さん、しー、ごー、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう」
そう、4と7の教え方が違ってたんですね。
多分、世の中的には奥さん方式が普通だと思います。
でも、私が4を「よん」、7を「なな」と言い聞かせていたのには一応理由があるんです。
それは、「よん」や「なな」の場合は、あとに「個」を付けるとそのまま物を数えるのに応用できるからです。「よん個」「なな個」とは言っても、「しー個」「しち個」とは言わないですよね。
ですけど、別にすごい信念やポリシーがあるわけでもないので^^、今は奥さん方式の普通の数え方をするようにしています。
ところで、最近こんな本を読みました。
『日本語教室』
著者: 井上ひさし
発行: 2011年3月
出版: 新潮新書
最近亡くなった劇作家の井上ひさしさんが、大学で行った日本語に関する公開講座の内容を、語り下ろしのかたちで本にまとめたものです。
話題があっち行ったりこっち行ったりするし、あってるのかどうかわからない仮説が飛び出したり(縄文人が使っていた日本語は東北弁だった!とか)、かなり自由な内容です。途中で言ってることがまるっきり変わったりもしています(笑)
まとまった内容をきれいに解説する感じではありませんが、言葉について考えに考えてきた著者による、ライブ感あふれるスリリングなよもやま話集として、まあまあ楽しい本でした。
この本の中で、私がいままで気づかなかったことが書かれていたので紹介します。
普通の日本人が1から10まで数えるときは、先ほどの奥さん方式で
「いち、にー、さん、しー、ごー、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう」
と数えると思います。
ところが逆に10から下がりながら数えるときは
「じゅう、きゅう、はち、なな、ろく、ごー、よん、さん、にー、いち」
となってしまいます。
つまり、上りでは4と7は音読み(中国語由来の読み)なのに、下りでは訓読み(古くからの「やまとことば」読み)になっています。
著者は、日本人は気がつかないうちに、古来の日本語と中国由来の日本語をまぜて使っており、しかもちゃんと微妙な区別をつけて使っている、と言っています。
いや~、私もまっっったく気づきませんでした。確かに言われてみれば、これは不統一でわかりにくいですね。
こういう言葉の複雑さはどの言語にもあると思いますが、外国人の立場で言葉を学ばないとなかなか気づかないものかもしれないですね。
結局 「私方式」の数え方
「いち、にー、さん、よん、ごー、ろく、なな、はち、きゅう、じゅう」
は、「個」をつけても違和感なく使えるだけでなく、10から下がってくる時もそのまま使える読み方なので、初めて数を学ぶ子どもにとってはわかりやすくて良いのかもしれないですね(自画自賛すな。笑)