4月のライブを最後に弟・泰行が脱退し、兄・高樹のソロ・プロジェクトとなっていたキリンジが、なんと6人組バンドとして再出発することが決定しました。いえい!
高樹以外のメンバーは、以前からキリンジのツアーに同行していた楠均(dr)、千ヶ崎学(b)、田村玄一(pedal steel)の三人、それに弓木英梨乃(g)とコトリンゴ(key)の2人、だそうです。
弓木さんという方だけはどういう方か正直知らないのですが(こらこら)、コトリンゴは私も大好きなアーティストなので嬉しいです!
今日はそのコトリンゴの最新アルバム『ツバメ・ノヴェレッテ』の1曲、『ツバメが飛ぶうた』を紹介します。
ああ、これぞコトリンゴ・ワールド!
アコースティックな音とエレクトリックな音が自然に溶けあった、爽やかで美しい音の世界が開けています。
涼やかな印象のこの曲は、いまの季節にもピッタリですね!
コトリンゴの奏でる音楽は、ピアノを軸にしたポップスです。
「コトリンゴ」の名前のイメージどおり、あくまで軽やかで、かわいらしくて、プライベートな雰囲気の、心地よい音を聴かせてくれます。
聴いていると、涼しい風が身体を吹き抜けていくような気分になります・・・
それでいて、けっこう刺激的なリズムやコード進行が出てきて飽きさせず、音楽にうるさい人さえも うならせます。
それもそのはず、コトリンゴはジャズの名門学校として有名な、アメリカのボストンにあるバークリー音楽院を卒業しているんです。
音楽院で、ジャズの作曲やピアノ演奏を学んだというのだから、その腕はホンマモン。
あの「教授」こと坂本龍一にも大絶賛されていて、深い親交があるのだそうです。
でも、ジャズにつきまとう小難しい印象をまったく感じさせない。そこが彼女のすごいところです。
初期にはピアノ以外の楽器はあまり入れずに、弾き語りに近いスタイルを取っていたコトリンゴ。
最近は、打ちこみのエレクトリックな音や弦楽器などを入れて、よりカラフルさを増した楽曲を生み出しています。
最新アルバム『ツバメ・ノヴェレッテ』も、その流れのうえにあります。
コトリンゴ『ツバメ・ノヴェレッテ』
2013年1月16日
commmons
このアルバムはちょっと面白くて、白いツバメが主人公の物語の擬似サウンドトラック のようなコンセプトになっています。
思えばさっきの『ツバメの飛ぶうた』のPVなんて、まさに映画の予告編のような、物語を感じさせる内容でしたよね?
「テーラー兄弟」「maiden voyage」などの各曲のタイトルからして、「どんなお話なんだろう?」と想像を誘ってきます。
物語の映像をイメージしながら聴いてもよし、一筋縄でいかない楽曲を分析しながら聴いてもよし、何も考えずにきいてもよし(笑)の、大傑作ですよ。
ポップス好き(でもありきたりのヒット曲っぽいのは飽きた)という方には、心から大プッシュいたします~!
キリンジはどちらかと言うと音を分厚く重ねた、隙のないポップスを作るイメージがありますが、そこにコトリンゴのようなまたひと味違った軽やかな音の作り手が参加することで、どんな化学反応が起こるのか?
今からとても楽しみです!