音楽

大人のための恋愛短編小説のような、美しいカバー曲集
『恋愛小説』 by 原田知世

金曜恒例の音楽紹介コーナーです。

今週の紹介するおすすめアルバムは、いつのまにか音楽活動30年を超えるベテランとなった原田知世が今年リリースしたラブ・ソング・カバー集『恋愛小説』です。

 

『恋愛小説』
アーティスト: 原田知世
レーベル: ユニバーサル ミュージック
リリース日: 2015年3月18日

 

原田知世は、1980年代から歌手としてコンスタントに作品を発表し続けてきたアーティストでもありますが、私の中ではまず「女優」というイメージが強いんです。

私は以前、太平洋に浮かぶフランス領のニューカレドニアに旅行に行ったことがあるんですが、ここを舞台にした大林宣彦監督の『天国にいちばん近い島』という映画に、若干17歳の原田知世が主演してたんですよ。

この映画のおかげで、日本に一大「ニューカレドニア」ブームが巻き起こったという、いわくつきの作品です。そういえば当時は、クイズ番組の視聴者プレゼントで、ニューカレドニアの旅がプレゼントされたりしてたけど、最近は全然聞きませんねぇ。

私は旅行から帰って来てからDVDをレンタルして観たんですが、映像・演出から出演者のファッションに至るまでちょっと古さを感じてしまうのと、知世さんの演技がちょっとアレ(どれ?)なので、あんまり感動しなかったんですけどね(笑)

その印象が強かったので、私の中ではとりあえず原田知世=女優ということになってました。

 

その後、彼女がアイドル時代だけでなく今に至るまでアーティストとして活躍し続けていて、しかもなかなか質の高い音楽をやっていると聞いて、何枚かアルバムを聴いてみました。

どれも悪くはなかったんですけど、結局、彼女の音楽にハマるところまでは至らなかったんです。

ところが今年出たこの新作『恋愛小説』、これはイイです。私のツボにズボッとはまりました。

全体的にしっとりとしたジャジーなアレンジになっていて、しかもポップで親しみやすい。世界的大ヒットを飛ばした、ノラ・ジョーンズの1stアルバムをちょっと思い起こしました。

短編の恋愛小説を読むような感じで歌うというのがコンセプトだそうで、感情の振れ幅は決して大きくないけれども、さざ波のようにじわじわと心に染みてくるような大人の恋愛模様が、素朴な歌声で奏でられます。

では、私のイチオシの曲『I've Just Seen A Face』の動画をどうぞ!

 

 

この曲、どっかで聞いたことがあるなあと思ったら、なんとビートルズのアルバム『Help!』に入っている曲のカバーなのでした。リズムもテンポもアレンジも違うので、全然わかんなかったな~。

原曲はテンポのいいカントリーっぽい雰囲気でしたが、その原曲に潜むメロディアスな要素、歌詞の抒情性をみごとに際立たせた、名カバーだと思います。

しっとりとして、少し切なくて・・・これぞ私好みの曲です!^^

 

この曲以外にも、やさしく落ち着いた美しい音楽がアルバム全編にあふれています。

のんびり過ごす休日(怪獣が2人いる我が家にはそんな休日はありませんが。笑)にBGMとしてずっと流しておきたいような、そんな作品です。おすすめ。

 

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