レキシとの出会いの思い出ばなしをひとつ・・・
私の大好きなレキシ(池田貴史)が、昨年6枚目のアルバムを出しました! ようやく聴くことができたので、今日はそのアルバム「ムキシ」を紹介します。
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ここで突然ですが、ちょっと想い出話をひとつ・・・。
私がレキシをはじめてきいたのは、4枚目の『レシキ』のときでした。
池ちゃんがレキシという名義で、なにやら歴史をモチーフにしたユーモラスな音楽をやってるらしい事は、前々から知ってました。
けれど、「無理にウケ狙ってるんと違うかな? なんかあんまり聞く気がしないな~」という無用な先入観があって、あえて聞かないまましばらく時間が経ちました。
そんなある日、たまたま『レシキ』収録曲の『年貢 for You』を You Tube で聴いて、一発でやられてしまいました!
「なんやコレ! めっちゃいいやん!(笑)」
と。
古い話になっちゃうんですけど、私は小さい頃に、テレビでやっていた「ニルスの不思議な旅」というアニメのテーマ曲がすごく好きだったんですよ。
それを作曲して歌っていたタケカワユキヒデ(ゴダイゴのヴォーカル)の澄んで伸びのある声と、さわやかな中にちょっとセンチメンタルさが入った曲調が、子どもながらに大好きでした。
それと彼の歌って(音楽制作の技術はよくわかりませんが)自分の声を二重に重ねた感じの、ちょっと響くようなエフェクトがかかっていて、それがまた幼い私の心をグッとつかんだんですよね。
で、初めてまともにレキシの歌を聴いた私は即座に思ったことはコレでした。
「タケカワユキヒデか!」
幼い頃にユキヒデの洗礼(なんやそれ)を受けた私が、このテイストの曲を気にいらないわけがありません!
そこであわててアルバムを手に入れて聞いてみて、以来レキシにどはまりしてしまったわけです。
ただ、レキシファンの間では「レキシはライブが最高!」ということが常に言われているんですが、わたくしは今日現在、まだレキシのライブは未経験でございます。
どんなアーティストのファンも口癖のように「ライブが最高!」と言うもんですが(笑)、レキシのはほんとに面白いらしい。
で、他のミュージシャンの曲をカバーしたり、コントのような要素を入れたり、そこでしか言えないような話題のMCがあったりするため、「DVD化は無理!」なのだとか。
そろそろ私も生レキシを観てみたい!
ポップ感は過去最高!
さて、6枚目のアルバム『ムキシ』です。
ファンには常識ですが、レキシのアルバムのジャケットは、すべて「レキシ」によく似た手書き文字で、何枚目のアルバムかという数字がタイトルにダジャレとして含まれてます。
今回はどうやってくるかと楽しみにしていましたが、『ムキシ』とは考えましたね~
でもこの調子でいくと10枚目以上のアルバムではどうするつもりでしょ~かね(笑)
過去の作品もどれも大好きですが、今回のアルバムは私にとって過去最高傑作です。
レキシというと、アフロで着物を着たりする奇抜な見た目と、歴史用語をコミカルに織り込んだ歌詞など、一見すると「ふざけた」感じがするんですが、やってる曲のほうはそうした第一印象とは真逆。このうえなく洒脱で楽しいポップミュージックを本気で聴かせてくれます。
今作ではそれがのっけから爆発していて、1曲目の『なごん』からして最高! タイトルだけ見ると何のことやらわかりませんが、実は清少納言の歌なんですね~。枕草子の「春はあけぼの」ってキーワードが入っていて、「Yes! 清少! 納言now!」のかけ声も楽しくて最高! まさに春先に聴きたい一曲ですよ~。
2曲目は、ここ数年ですっかりビッグなアーティストとして認識されるようになった 三浦大知(ビッグ門左衛門)が参加した『GOEMON』。大知くんの個性をふまえた、打ち込みっぽいビートのファンキーな曲調がナイス。
7曲目がこれまた私の大好きなタイプのさわやかな曲です。昨年のNHK大河ドラマ「西郷どん」のイメージ曲にもなった(テーマ曲ではない)曲で、タイトルはずばり『SEGODON』。たまたまNHKの番宣に池ちゃんが出ていて「そういえば西郷隆盛って超有名人の割に、これまで歌にしてなかった」みたいなことを語ってたのを覚えてます。ひと昔前のキーボードサウンドがなんだか懐かしいです。まさに私の大好物な王道ポップス!
こちらが一応 SEGODON のMVなんですが、すごいことやってます。初回特典の「手書きジャケット」を 16666枚手書きしていくという荒行です。いやあ、おバカです!(ほめ言葉)
9曲目は、上原ひろみ(オシャレキシ)をピアノにフィーチャーした『SAKOKU』。これまであんまり無かったブルージーな曲を池ちゃんが熱唱する新機軸の曲。最後のほうは「サコク」という言葉だけをひたすら連呼しまくる、熱くてシュールな展開になります(笑)
序盤では、上原ひろみはやや勢いを抑え気味な感じがしますが、途中のピアノソロのあたりから本領を発揮し、最後はすごい盛り上がりに持っていくところはさすが。私の大好きなタケカワユキヒデ系の曲ではないですが、長い曲なのに最後まで飽きる瞬間がなく、アルバムのお気に入り曲の1つになりました。
最後の10曲目のメロウな「マイ会津」もまた良くて、しっとり & しっかりとアルバム全体をしめてくれます。ラップを担当するいとうせいこう(足軽先生)は、レキシのアルバムに毎回のように登場している盟友です。
曲のタイトルは、要するに「My Eyes」という言葉のシャレなわけですが、私は曲名も歌詞も見ずにこの歌を聴いて、「歴史ダジャレの要素が全然ないじゃん。しかもすげえいい曲!」と驚いてました。ついに歴史じゃない王道ポップスに手を出したのかと思っていたら、最後の「あいーず わかまーつ♪」 で脱力・・・やっぱ歴史ネタだったのね、と安心しました(笑)
よくよく考えてみると、実は今回の「ムキシ」って江戸時代の色合いが強いんですよね。そしてその最後を締めるメロウで切ない曲が、江戸幕府の終末を象徴する戦の舞台「会津」だというあたり、ふざけているようで 実はすごくよく考えて構成したんじゃないかと感じます。さすが池ちゃん!
ただおもしろおかしいだけでは終わらせない、遊んでるけどまじめというか、まじめに遊んでるというか・・・そんなレキシがやっぱり私は大好きですわ!