少し前の話になっちゃいますが、うちの太郎は今年の7月に2歳の誕生日を迎えました。
おじいちゃん&おばあちゃん達からは、三輪車など 素敵なプレゼントを頂くことが決まっていたのですが、私たち親から何をプレゼントするか、なかなか決まりませんでした。
どうしようかな~と迷って、結局選んだのが、これです:
『2カラーせんせい』
タカラトミー
そう、私らが小さいころからある伝統のおもちゃ、タカラトミーの「せんせい」です!
磁石が仕込まれたペンでスクリーンにお絵かきできて、スライダーを横へ動かすと一瞬で絵が消せるという、アレです・・・なんてあえて説明する必要もないほどの、国民的玩具ですよね。
さて、私たちが買ったこの「せんせい」は、実はただの「せんせい」じゃございません。
「2カラーせんせい」といって、その名の通りペンが2種類あって、それぞれ違う色(黒と紫)で線が描けるという優れ物です。
2色を使い分けることで、より綺麗な絵をかけるというだけはでなくて、たとえば親が線や文字を書いて子どもに別の色でなぞらせたり、子どもが黒ペンで描いた字の間違いを紫ペンで採点したり訂正してあげたりという、とっても教育的な使い方もできるようです。
私が小さい頃は黒一色しかなかったですが、いつの間にかおもちゃの技術も進化しているのですね。
ところで、技術者としてちょっと気になることがあります。
どうして2色の色が付くんでしょうか?
黒1色であれば仕組みは想像がつきます。スクリーンの下に砂鉄みたいなものが入っていて、磁石の仕込まれたペンでスクリーンをなぞると、砂鉄が磁石に引き付けられのでスクリーンに付着する、というわけです。
しかし2色の色分けができる理由はちょっと想像しづらい。
そんな2カラーせんせいのたね明かしをしてくれるWebページを、最近見つけました。こちらです。
http://news.mynavi.jp/column/toyagain/005/index.html
なるほどね~。
つまり、スクリーンの下に入っている1粒1粒の片面がS極、反対面がN極の磁石になっていて、各面がそれぞれ違う色に塗り分けられているわけです。オセロのコマと同じですね。
それで、絵を描く2色のペンにも別々の極性の磁石が埋め込まれている。S極のペンで描くと、N極側を上にして粒々がスクリーンにくっつき、その色が見える。N極のペンだと、逆に粒々のS極側の色が見える、というわけです。
原理はシンプルですけど、実用化にあたっては技術的な困難がいろいろあったそうです(粒々にミクロン単位で磁性を付与する、とか)。
同じ技術屋の私としては、そういう地味な試行錯誤をまっとうした裏方の技術者のがんばりに、敬意を表したいです。
ちなみに、この技術でいくと、残念ながら3色以上を塗り分けることは難しそうですね。磁石にはN極とS極の2つしかありませんから。
実は「せんせい」には「カラフルせんせい」という4色も色がつく製品もあるそうです。
だけどこれは使うペンは1本だけ。スクリーンがいくつかのセクションに仕切られていて、それぞれのセクションに別々の色の砂鉄が入っている、という仕組みです。
だから、複数のペンを使って自由に色を塗り分けられるのではないようです。
もしも「3カラーせんせい」が実現したら・・・もうびっくり仰天しちゃうやろなぁ
たかが「せんせい」、されど「せんせい」。「せんせい」は奥深いですね~