1年以上前の記事ですが、日経Tech Onという技術系情報サイトのこの記事を読みました。
ゆる~い会話形式で、製造業の現場で軽視されがちだけど大事なことを紹介する、連載コーナーの、ある回の記事です。
内容をかいつまんで紹介すると、街なかで聞くアナウンスが最近妙に過保護になっているのでは、というのが話の出発点になっています。
登場人物の「お局さん」がこんなことを言います。
「優しい女性の声で、『良い子の皆さん、エスカレーターで遊ぶのは
危険ですから止めましょうね。他のお客様のご迷惑になりますよ』って、
繰り返し流しているけれど、なんで『良い子の皆さん』って言うのかしら。
(中略)
大体、エスカレーターで遊んだり、他人に迷惑を掛ける人は、子供
だろうと大人だろうと悪いのだから、本当は『悪い人の皆さん…』
と言えばいいじゃない、それを何で『良い子』なの? それに、大体、
しつけられた子供はそんなことはししないわよ。だから本当は、
『こら、悪ガキ、危ないことをするな!』と言えばいいのよォ!
「悪い子の皆さん」か(笑) うーん、まあ、その通りかもしれませんね。
会話はさらに続きます。
最近は、製品やサービスを提供する側が、消費者に対して必要以上に気を回し過ぎて「世性なお世話」になっているのではないか。
そしてそのために、かえって消費者が危険を自ら避ける力を損なわせているのではないか。
さらに、そこまで丁寧にするのは、何かあったときの責任を回避したいというサービス提供者の思惑があるからではないか、という指摘につながります。
これは意外にその通りかもしれないなあと思いました。相手の気分を良くして不要なトラブルを避けたい、また一応危険性の説明はしたというアリバイを作っておきたい、そんな意図は間違いなくあるでしょう。
それが悪いこととは限りませんけどね。
私がよく思うのは、最近電車の中のアナウンスがやたらと丁寧、かつあれこれ気を遣うようになったなあ、ということです。
たとえば私が毎日使う路線では、雨が降ったら「傘のお忘れものが多くなっております」というアナウンスがわざわざ流れます。あんたはおれの母ちゃんか?って気がします(笑)
他にも、
「お暑い場合はお近くの窓をお開けくださるようお願い致します」
「中ほどからお降りの方は、お手数ですが声をおかけになってお知らせください」
「体調のすぐれない方は、どうぞ遠慮なく、駅係員までお申し出ください」
というような、おせっかいとも思えるアナウンスは数多いです。そこまで言わなくてもいいんじゃないかと私なんかは思っちゃうのです。
ただ、よく考えてみると、ラッシュの時間帯というのは過酷ですよね。
殺伐とした車内の雰囲気はトラブルを招きやすくしますし、空気が悪くて具合が悪くなる人も出やすくなります。
また、少し乗り降りが遅れただけで、その遅延がどんどん増幅されてしまいます。
こうしたトラブルを防ぐためには、どうしても過保護なアナウンスが必要不可欠なのかもしれません。
・・・だけど、もしそうだとしたら、なんだか世知がらいですね。
当り前のことをあれこれ言われないとうまく回らない世の中なんて・・・ (^^;