「クラウドコンピューティング」とか「クラウド型のサービス」のような言葉が、今ではだいぶ一般的に使われるようになりました。
「クラウド」というのは、簡単に言えば、自分のパソコンにソフトをインストールせず、インターネット経由でいろんなサービスを使える仕組みのことです。
代表的なのがGoogleの一連のサービスですね。別にGmailというソフトを自分のPCにインストールしなくても、ネット上でGoogleのページにアクセスすればサービスが使える。便利です。
Googleは、WordやExcelにそっくりの文書作成がブラウザで行なえるサービスや、写真などの画像ファイルをGoogleのマシンに保存・共有・閲覧できるサービスも提供していますが、私はどちらも使ってます。
自分のパソコンになーんにも入れていなくても、相当いろんなことが無料、または低コストでできちゃうのがいまの時代です。スゴいですね! 便利ですね!
しかし・・・・
つい最近、突然わたしのメールアドレスあてに、Google大先生からこんなメールが届きました。
最近、他のユーザーが Google アカウント ●●● にログインしようとしました。
Google では、このアカウントへのアクセスが不正ユーザーによるものであった
場合に備え、このログインをブロックしました。詳細については、以下の情報を
ご確認ください。
なにぃ!?
どうやら、どこかの誰かが私のアカウントに不正アクセスをしかけたらしいのです!
たぶん、パスワードを何度も間違えたから、そいつに対してアクセス遮断をしたという事だと思います。(ちなみに不正アクセス元も書かれていて、南米の某国のとある町でした)
Googleからのメールでは、「パスワードを変えてください」と書いてあったので、即刻変えました。
こんなことはGoogleに限らず、いままでに経験したことがないです!
今回はたまたまアクセスに失敗してくれたからよかったです。
でも、もし仮にログインに成功されていたら、Gmailは全メールを見放題、アップしてある画像(パソコンのデータのバックアップ目的なので、非公開にしてます)も見放題。ワープロ文書や表計算の結果も見放題!
しかもそれを一気にネット上にばら巻かれることだってあり得るわけです。ログインさえできてしまえば何でもありですから。
そんなことを想像したら、これまであまり気にせずに情報を放り込みまくっていたGoogleのクラウドサービスが、急に危険なもののように思えてきました。
漏れたら致命的な情報は、クラウドに上げないほうがいいですね
もう1つ、最近クラウドに関連して気になったニュースが、今日の日経新聞朝刊の2面の記事です。
日本のヤフーの子会社のファーストサーバという企業があります。
メールシステムや顧客情報管理システムなどを、クラウドサービスのかたちで提供している会社だそうです。(中小企業の利用が多いらしい)
これも、自社にメールシステムを置かずにネットワーク経由で利用できるサービスですから、「クラウド」のサービスということになります。
その企業が、マシンのメンテナンス中に度重なるミスを侵した結果、5,600社もの顧客企業のデータを消失させるという前代未聞の事故が起こりました。
この事故が起こったのは約1か月前ですが、今日の新聞ではその内実を少し詳しくレポートしていて、データを失った企業がいまだに復旧に苦労しているという内容が報じられていました。
データを無くされた顧客企業は、自社で念のため持っていたバックアップデータで復旧を試みたり、バックアップさえない場合はゼロからデータベースを再構築したり(!)しているらしいです。えらい損害ですよね。
実は私の知り合いの一人も、これに巻き込まれたんです。
1カ月くらい前、彼から「外に委託してるうちの会社のシステムが動かない!」というメールが来ました。
そのときは「大変だねえ」と思いつつ、さらっと聞き流していたんですが(笑)、実は彼の会社はこの大規模な事故に巻き込まれてたということを、この記事を読んではじめて知りました。
不正アクセスは猛烈に怖いですが、データ消失もなかなかに恐ろしい・・・
いくらクラウドが便利だと言っても、完全にデータを手元から無くしてはいけないですね。バックアップは必須です。
というわけで、クラウドのサービスのリスクについて考えさせられた出来ごとの話でした。
・・・しかし、ここまで書いて思いました。
家のパソコンにデータを入れてる場合でも、ウイルスに感染したりパソコンが盗まれたりしてデータが流出したり、ハードディスクが壊れてデータが消えたりというリスクはありますよね。
そう考えると、データ流出・消失はクラウド特有のリスクだ、というわけではないですね。
・・・うーん困った、話がまとまらなくなったぞ(苦笑)