ビジネス誌で有名なダイヤモンド社が主催する、大学生と若手ビジネスパーソン向けのセミナーが都内であったので参加してきました。
こういうセミナーのたぐいには、まったく参加したことが無かったんですが、最近仕事に少し閉そく感を感じていることもあり、刺激を受けたいと思って申し込んでみました。
ちなみに参加無料というのも、受けた理由の1つです(笑) 太っ腹ですね、ダイヤモンド社。
セミナーのタイトルは、「グローバル人財計画~その手に、世界で通用する武器を~」。
グローバルという言葉は「耳タコワード」ではありますが、個人的にもとても気になるテーマです。
セミナーは3部構成。参考までに、こんなメニューでした。
第1部 オープニング・トークセッション
「グローバル社会を生きるということは、どういうことか?」
・内田和成 氏(早稲田大学ビジネススクール教授・元ボストンコンサルティング日本法人トップ)
・永山治 氏(中外製薬CEO)
第2部 パネルディスカッション
「なぜ、いま日本に”グローバル人材”が必要なのか?」
・高橋進 氏(日本総合研究所 理事長)
・瀧本哲史 氏(京都大学客員准教授)
・永山治 氏(中外製薬CEO)
・西山圭太 氏(経済産業省 経済産業政策局 審議官)
第3部 ワークショップ
「世界で通用する日本の”強み”は何か?」
今日は夜遅くなってしまったので、後日なるべくこの記事を書き直したいなと思いますが、とり急ぎ思いつくままメモを書きます。
今回おもしろいなと思ったのは、グローバル化と言われて一般に想像されそうな「異文化コミュニケーション」とか「語学力」の大切さという話が、それほど強調されなかったことです。
もちろんこれらは世界を相手に仕事をする上で必須のツールではあるんですが、むしろセミナーの力点は
「ITの発達や新興国の発展によって、市場の海外シフト、
そして商品・サービスのコモディティ化(陳腐化)が猛スピードで起こっている。
その中で、我々個人個人、または日本は何を差別化にすべきか?」
というところにあったように思います。
そして、「その他大勢」に埋もれない人材として活躍していくためには何が必要かについて、パネラーの方からこんな意見が出ていました。
・仮説を立てて検証する姿勢
・リベラルアーツ(主に歴史や思想などの一般教養)
・好奇心と横のネットワーク
・コンセプト力
などがあがっていました。
ちょっと面白いなと思ったのは、リベラルアーツの重要性です。いままでそういう事を考えたことがなかったので。
この発言をした瀧本氏によれば、海外(特にヨーロッパ)では歴史や文化の話題をどのレベルで話せるかという点で、その人のレベルを判断されてしまうことがある、とのことでした。
言われてみれば、私も仕事がら海外の技術者が日本に来たときに対応することがしばしばあるんですが、あるときふいにこんな質問を受けました。
「なんで日本はサコクをしていたのか?」
「なぜその時代は日本では戦争がなかったのか」
・・・恥ずかしながらまともに答えられなかったのを思い出しました(笑。いや、笑ってちゃいけないか)
既に打ちとけた間柄の技術者との雑談だったので、それでナメられたとかいう事はなかったんですが、おれって意外と日本のことを何も知らないんだなあと、恥ずかしく感じたのを覚えています。
ものすごく高尚な話をできるようになる必要はないでしょうけど、自分の国の基本的な過去・現在について、自分の言葉で話せるということは、知的なグローバル人材の重要な要件なのかもしれません。
最初に書いたとおり、私はこういうセミナーって初めて参加しましたが、実際に生で人の話を聴くということは、単に本を読むのと比べて受ける刺激のレベルが全然違いますね。
要点だけ見れば、けっこうあたり前の意見ばかり出ていたりするんですが(笑。だから後から記事にする段階でどう書いたもんかと困ってます)、その場の緊張感、話し手の態度や声の調子、細かなエピソード、そういったものがあいまって、いろいろ気づくところの多いひとときでした。
ライブが一番というのは、音楽も講演・セミナーも同じですね。
無料でこんな機会を頂けたことに感謝です。週刊ダイヤモンドを年間購読でもしないと申し訳ない感じです^^