もはやゴールデンウィークの恒例行事になった、クラシック音楽の祭典『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン』が、今年も開催されます。
公演もイベントも盛りだくさんで、クラシックのマニアからまったくの初心者まで、お祭り気分で楽しめてしまう、人気のイベントです。
今年のテーマは「パリ、至福の時」。
19世紀後半から20世紀初頭にかけてのパリは、音楽だけでなく、文学、美術にいたるまで、当時の最先端を走る作家やアーティストが集う、まさに「芸術の都」でした。
それまでイタリアやドイツを中心として発展してきた「クラシック音楽」は、19世紀に入ってフランスで新しい花を咲かせることになりました。
今年のラ・フォル・ジュルネでは、ドビュッシー、ラヴェル、サティなど、この時代のフランスを代表する音楽家たち、そして隣国スペインからパリへやってきて活躍した作曲家たちの作品が、たくさん演奏されるようです。
最近、クラシックのCDを聴くようになったものの、コンサートにはまったく足を運んでいなかった私ですが、このイベントをきっかけにそろそろコンサートデビューしたいなあ、なんて思いながら続報を楽しみにしているところです。
さて、2013年の「ラ・フォル・ジュルネ」の予習テキストともいうべき、こんな新書が出ているので、読んでみました。
(実際、本の帯にはイベントの告知が載っていました)
『伊熊よし子のおいしい音楽案内』
伊熊よし子・著
PHP新書
2013年1月7日初版 (私は去年買ったけど。笑)
著者の伊熊よし子さんは、自身も音大で学んだ経験のあるクラシック音楽ライター。
伊熊さんがどのくらい知られている方なのかわからないのですが、自身の名前を本のタイトルに入れるということは、クラシック好きにはかなり有名な方なのでしょうね。
この本ではフランスとスペインの作曲家・演奏家の生誕の地、活躍した街を訪ねた経験に触れながら、彼らの音楽の魅力が紹介されています。
比較的マニアックな情報も含まれていますが、ウンチク披露的な嫌みがなく、音楽に対する愛情や思い入れが素直に感じられて、読んでいて快いです。まったく知らない作曲家や演奏家の話でも、「ちょっと聴いてみたいな」と思わせられます。
知識を得るために気合いを入れて読むような本というより、音楽好きの友人の語りに耳を傾けるような、気楽で楽しい読み方がGoodだと思います。
クラシックが好きになりだした方や、2013年のラ・フォル・ジュルネが待ち遠しいという方にオススメします。