音楽

もはやローカルアイドルではない! 自然体の3人の魅力あふれる高品質ポップソング集
『Rice & Snow』 by Negicco

AKBのヒット以来、ものすごい数の女性アイドルグループがあらわれ、『アイドル戦国時代』なんて言わるようになってずいぶん経ちます。

そんな並み居るアイドルグループの中でもいま大注目のグループ、Negicco(ねぎっこ)の最新アルバムを買いました。

これが事前の予想を大きく上回る、ポップ好きをうならせるような最高の作品でした!

 

『Rice & Snow』 by Negicco
レーベル: T-Palette Records
リリース日: 2015年1月20日

 

Negiccoは、Nao☆、Megu、Kaedeの女性3人組のグループです。

彼女たちはもともと、新潟県特産のネギである「やわ肌ねぎ」をPRするために結成されたグループなんですね。結成はなんと2003年というから、立派な十年選手です!

当初は期間限定で活動する予定だったんですが、意外に好評だったということで、その後も新潟で断続的に活動を続けてきました。

ローカルラジオのパーソナリティーを務めたり、ねぎを手に持って振りながら踊ったりと(笑)、地元どっぷりの活動を細々と続けてきた彼女たちですが、

2010年にホリプロ主催のローカルアイドルの全国大会でグランプリに輝いたことを転機に、活動の幅を広げました。

2011年には、タワーレコードが主催するアイドル専門レーベル T-Palette Records に所属して、2012年に初のアルバム(ベスト盤)となる『Negicco 2003~2012 -BEST-』を発表します。

ちょうどこのとき、タワレコのフリーマガジン『Bounce』の表紙をNegiccoが飾ったんです。私がNegiccoと出会ったのはこの Bounce ででした。

「はぁ? ねぎ??」って感じだったんですが(笑)、記事に興味を引かれて、結局ベスト盤まで聴いてしまいました(このベスト盤もイイですよ)

その後もNegiccoは音楽活動を活発化させていて、もはやローカルアイドルの域を完全に脱した感じがします。今年はついに初の全国ツアーを行うことになりました。ずいぶんメジャーになったもんです。

完全なローカルアイドル時代の彼女たちのことはよく知らないんですが、一応メジャーデビュー当時から音を追っている自分としては、いまの Negicco の活躍ぶりはなんとも嬉しいです^^

 

 

さてさて、そんなこんなで、今年に入って通算2枚目のアルバム『Rice & Snow』が出たわけですが、これがイイ!

デビュー当初からNegiccoに曲を提供し続けてきた connie のプロデュースが冴えわたってます。

オリジナル・ラブの田島貴男、ノーナ・リーヴスの西寺郷太、元シンバルズの矢野博康など、ポップ好きの教祖とも言うべき人たちが作・編曲で参加しているのも見逃せません。

ややクールなエレクトロポップ路線の曲も出てきて、アーティストとしての表現の幅がぐっと広がった感じがします。

だけど同時に、身の回りのファンや関係者を大事にしながら 長年 地道に活動を続けてきた彼女ならではの素朴さ・自然体なたたずまいが全体を覆っていて、売るためのあざとさは感じません。

特に最後の1曲が、Negiccoからの感謝の気持ちを歌った曲(しかもこの曲だけあえて歌詞カードに載せない)というのも、そんな彼女たちらしくて泣かせるじゃないですか。

末永く応援したい気持ちになってしまいます^^

 

さて、アルバムの収録曲の中でも最高なのが、シングルとして先行リリースされた、12曲目の『光のシュプール』です。

公式のミュージックビデオはこちら ↓

 

 

まさに雪で輝くゲレンデを、爽やかに軽快に滑り降りていくようなイメージ!

いま(2/27)はもう冬の終わりなんで、ちょっと紹介が遅かったかもしれませんが(笑)、まあ そんなことはどうでもいいんです。

この果てしない爽快さとキラキラした高揚感、もうたまりません! これまでに聞いた全ポップチューンの中でも間違いなくベスト5に入ります。キラキラしたポップスが好きな人なら、間違いなく気に入るんじゃないかな?

わざわざフィンランドで撮影したという映像も、いいですね~。3人とも自然体で、ほんとに楽しそう。フィンランドに行ってみたくなりました^^

 

もう1曲、アルバムでイチオシなのは9曲目の 『Blue, Green, Red and Gone』 これも本当にすごいですよ。

これまでの Negicco のイメージをいい意味で裏切るソリッドなエレクトロポップなんですが、 スネアの攻撃的なビートに載せて、3人の美しい歌声がきらきらと舞い踊るさまは圧巻。現実離れした美しさと陶酔感に、身も心もゆだねたくなります。

トラックメイカーは□□□(クチロロ)の三浦康嗣。最高の仕事をしてくれました!

迷いを捨てて恋愛に飛び込みきれない曖昧で複雑な心理を、夜明けの首都高の光景になぞらえた歌詞もいいです。メンバー3人それぞれが Blue, Green, Red のそれぞれのパートを担当するなど、キャラクター性も出ていて楽しいですね。

『光のシュプール』と並んで、非の打ちどころのない一曲だと思います。

 

というわけで、ご当地アイドルの枠を完全に抜け出した観のあるNegiccoの 2ndアルバムの紹介でした。

ところで今年の1月に、AKB48グループが新潟を拠点とする新しいグループ『NGT48』をスタートさせることが発表され、「Negiccoとガチンコ対決か?」「秋元! Negiccoをつぶす気か!」(笑)などという話題がヤフーニュースになってました。

まさか Negicco の名をヤフーのトップで見ることになるとは思わなかったんでビックリしました。

でもAKBとNegiccoは、狙ってる路線が違いますから、ガチンコ勝負にはならんでしょう。

Negicco は『ナチュラルな Perfume』とでもいうような、もはやアイドルとは違うポジションを取りつつあると感じます。

これからも Negicco から目が離せませんよ。 ガンバレ!

 

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