新米パパの小さな発見手帳

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知られざるお金持ちの生態を覗かせてくれる人間観察の書 『お金持ちの教科書』 by 加谷珪一

      2014/06/16

ある日、うちの奥さんがしみじみとこう言いました。

「かっこいい男やイケメンの知り合いはまあまあいる。けど、お金持ちというのは本当に身の回りで見かけない。一体金持ちってどこに行けば会えるの?

これは私もまったく同感です。

類は友を呼ぶといいますけれど、外見イマイチな私にも、美人と言えるような女友達や知り合いはいます。 しかし金持ちの知り合いは・・・これが本当にいない!!

私と同じくらいの年齢の友人の中には、年収一千万以上(と思われる)やつもいるにはいますが、いわゆる優雅な金持ちという雰囲気はなく、バリバリ働いてがんばってその収入を維持しているという雰囲気です。

そんな小市民の私たち夫婦にとって、謎の存在である「お金持ち」の生態に関する、面白い本を読んだので紹介しますね。

 


『お金持ちの教科書』
著者: 加谷珪一
出版; 阪急コミュニケーションズ

 

この本の著者は、経営コンサルティングの仕事を通じて多くの富裕層と接した経験を持っており、自身も運用に成功して1億円以上の金融資産を持つ「お金持ち」です。

そんな加谷氏がこれまでの経験に基いて、「お金持ちとは一体どういう人種なのか」、「共通する物事の考え方や行動様式は何なのか」といったことをまとめたのがこの本です。

「教科書」などというたいそうな名前がついていますが、お金持ちになるためにあれをしろ、これをしろという具体的なテクニックは、さほど書いてありません。(そもそも、まねすれば簡単に金持ちになれるようなテクニックなんて無いでしょう)

むしろこの本は、一般人にはうかがいしれない金持ちの生態を解明してくれる「人間観察本」として、とても秀逸な一冊になっています。

また、お金に見放されやすい人の癖などにも触れていて、人間心理についての深い洞察がすばらしいです。巷の多くの「マネー本」とは異色の存在で、予想をはるかに超える面白さでした!

 

さて、この本で言う「お金持ち」の定義は何でしょうか? つまり、お金持ちとはどういう人のことなんでしょうか?

加谷氏によると、お金持ちの目安はズバリ、「資産3億円、年収で規定するなら3000万円」だそうです。基本的に、年ごとに変動し得る年収よりも、ストックである資産で考えるほうが適切なようです。

さらに「金融資産1億円がお金持ちの最低ライン」というのが金融関係者の定説とか(ただしここでいう資産には、借金を返し終わっていない不動産は含めません)

1億にせよ3億にせよ、資産額でこれくらいをお金持ちの目安と考えるのは、「働かなくても利子や運用収益で暮らして行けるレベル」だからとのことです。うーん、納得。

加谷氏は、年収1500万円程度では、500万円くらいの場合と比べて、本質的に生活ぶりは変わらないと言います。せいぜい少し高いものを買えるようになる程度です。ところが資産5000万円くらいから、人のおカネに対する思考回路そのものが変わり始めるそうです。

1000万円や2000万円という金額であれば、運用しても「たかが知れていて」、老後は貯金を取り崩して生活する以外に方法はない。でも資産が4000万円から5000万円を超えるあたりになると、運用で生活できる希望が少しだけ見えてくる。これが、その人の価値観に影響を与えるのだそうです。

いままでこういう観点でおカネをとらえたことがありませんでした。具体的な数字をあげられると、生々しいですね。資産1億は、残念ながら今の私から見れば、非現実の世界って感じです(^^;

 

この本には他にも面白い内容が目白押しでした。

私はこの本を電子書籍(AmazonのKindle)で読んだんですが、200箇所近くハイライト(選択した文にマーカーを付ける機能)を付けてしまいました。

1冊の本で200のハイライトなんて、初めてす。それだけ、おカネと人に関する興味深い意見や指摘がたくさんあったんです。そのごく一部をここで引用します(一部、著者の趣旨を変えない程度に文章を加工しています)

 

お金持ちの人は、コミュニケーション能力が高いことが多く、自分自身をお化粧する方法に長けている。お金持ちは常に世間からの妬みにさらされており、こうした攻撃から防御する方法を身につけている。彼らは、世の中の人が心地よく感じるような言い回しが本当に上手であり、話の中身には嘘も多い。

 

お金持ちになるためには、お金に対して淡泊になる必要がある。これは非常に矛盾した話だが、事実である。お金に対する執着心が強すぎると、かえってお金持ちになれないことが多いのである 。

 

成金(=お金を贅沢に使う人)を嫌っている人の多くが、ひとたびお金持ちになると、やっぱり「成金」に変身する。成金は、誰も逃れられない人間の性なのかもしれない。

 

貧乏人の僻みではなく、お金持ちが不幸だというのはある意味で本当だ。たくさんのお金を持ってしまうと、それを失ってしまうのではないかという恐怖から逃れられないという。

 

お金持ちは、自分が必要ないと思ったものへの出費には、絶対に首を縦には振らないのだ。どんなに性格が悪いと人に思われても。逆に必要と思えば躊躇なくお金を払い、それに後悔することはない。

 

お金持ちは人におごりたがる人が圧倒的に多いのだ。もちろん、お金を持っていることを見せびらかしたいという欲望もあるだろう。だがそれだけではない。多くのお金持ちにとって食事や飲み会は投資なのだ。
もし一緒に食事をした相手にがっかりしたとしても笑顔でおごってくれる。だが、お金持ちは、その相手と食事を共にすることは二度とないだろう。要するに、そういうことなのだ。

 

お金持ちには友達が少ない。これには2つの理由がある。
ひとつは、気まずい雰囲気になることが時々あって、それが嫌だから。
もうひとつは、時間の進み方が我々一般人とお金持ちでは違うから。お金持ちの時間には高い値が付けられている(資産1億の人は、得られる利子が年3%とすると、1年に300万、1日に1万円弱の値がつく。それだけの価値がない時間の過ごし方は、無駄に思える)

 

お金持ちは人に感謝することがない。それは、自分勝手で人に感謝しない人という意味ではない。他人に報いる場合には、「感謝」ではなく「お礼」をするのだ。
お金持ちが「感謝」するのは、「天賦の才能」であったり「健康な体」であったり「自分に成功をもたらしてくれた環境」に対してである。直接的にお礼をすることができないものには、感謝の心を表すのである。
だから軽々しく「感謝」「感謝」と口にする人は、基本的に「人に何かをしてあげよう」という意識は薄い。したがって、お金持ちから「感謝」の言葉をもらったときには、半分は素直に喜んでよいが、半分は冷静に受け止めるべきだ。自分は「感謝」されたのか「お礼」をされたのか? その違いは大 きい

 

お金持ちになれる人に関して特にすごい点は、結果のすべてを自分のせいにできる精神力の強さである。逆にいうと、このメンタリティさえ身につけることができれば、かなりお金持ちに近づくことができるのだ。(たとえば信頼していた部下に逃げられた、金を持ち逃げされた、なんていうのも、すべて自分のリスク管理があまかったせい等と考えられる)
多くの人は、自分が他人のせいにしていることを自覚すらしていない。もっ ともよく耳にするのが、家族の存在を、自分が努力・行動しないことの言い訳にしてしまうパターンである。

 

このほか、引用しませんでしたが、「お金持ちになるにあたってのNG発言」の内容は、まさに自分のことを言われているようで耳が痛かった・・・でも、非常に納得いく指摘がされていて共感しきりです。

ご覧のように、著者の書きぶりはとても明快・率直で、世間一般の「非お金もち」からの反感を恐れて変にオブラートに包むようなことはしていません。やや極端な表現や主張もありますが、それもまたエキサイティングで興味深いです。

お金持ちがお金持ちを語る本と聞いただけで、いけすかない気分になる方は多いと思いますが(笑)、そういう気持ちを抑えて読んでみると、いろいろと得るものがあるんじゃないかと思います。

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